被害男性は生前、社長と揉めていたという(写真は十枝内容疑者が役員を務めていた会社)

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 4月1日、青森県七戸町の私有地で男性の遺体が発見された。深さ6メートルもの地中から、プラスチック容器に入れられた状態で見つかった遺体は、今年1月から行方不明になっていた当時54歳のトラック運転手であると判明した。

【写真】ウイング&ワンオフパワーゲート搭載の十枝内容疑者のトラック。他、愛車の真っ赤なチェイサー、ギャル風の市ノ渡歩美被告も

 死体遺棄の疑いで4月8日に再逮捕されたのは、同町の運送会社役員の十枝内伸一郎容疑者(47)と、会社員の竹内洋容疑者(45)。遺棄したのは今年2月上旬ごろとみられている。被害男性は1月7日を最後に行方が分からなくなっていたが、十枝内容疑者と竹内容疑者はこの日、同町の会社員・町屋勝彦被告(52)と飲食店従業員・市ノ渡歩美被告(38)と共謀して被害男性の自宅近くで暴行を加え、車に無理やり乗せて連れ去ったとする生命身体加害略取の疑いで、3月10日に逮捕されていた。すでに同罪で起訴されている。

 司法解剖から死後数か月経っており、死因は多発肋骨骨折による出血性ショックで、窒息の疑いもあるとみられている。また、被害男性は以前、十枝内容疑者の運送会社の従業員だった。警察は捜査本部を設置し、現在も捜査にあたっている。

 十枝内容疑者の運送会社は、遺体が見つかった私有地から約2キロの距離にある。「十枝内さんは別の場所に妻子と住んでいましたが、逮捕のちょっと前から、子供も嫁さんもいなくなった」(近隣住民)という。会社には、ともに再逮捕された竹内容疑者も勤務していた。事件に関わっている4人のうち歩美被告は七戸町のスナックで働いており、スナックのママと歩美被告、十枝内容疑者は親戚関係にあった。そして十枝内容疑者と歩美被告は愛人関係でもあったという。

 捜査により判明したところによれば、4人は共謀して被害男性を誘い出した。歩美被告が宅配業者を装って男性の自宅を訪問し、連れ出したのち、十枝内容疑者が馬乗りになり、殴るなどの暴行を加えたという。町屋被告は転倒した被害男性の両足を押さえ、竹内容疑者は運転手として関わった。その後、歩美被告以外の3人が男性を車中に監禁し、町内の資材置き場に連れて行ったとされる。また十枝内容疑者以外の3人が「十枝内容疑者から事件への協力を持ちかけられた」と供述しているという。

真っ赤な愛車に日本刀

 近隣住民が重い口を開く。

「亡くなった男性は十枝内さんのところで働いていた元従業員。トラック運転手をやってたけど辞めさせられたと聞いている。勤務態度などに問題があったようです。子煩悩なシングルファザーだったのですが……。十枝内さんは事件の前に、その男性とトラブルになっていたようで、男性を含む数人に殴られてボコボコにされていた。その後、十枝内さんは真っ赤な愛車・チェイサーに日本刀を積んでいて物騒な感じがしましたね」

 また別の住民は、被害男性が勤務で乗っていたトラックにまつわる話を耳にしていた。

「十枝内さんの会社を離れた被害男性は、別のA社に移ったんです。A社で働くために中古のダンプを購入したんですが、中古だから、全く関係ないB社の名が塗装されていた。普通、A社に移るんだから、A社の社名を塗装し直すじゃないですか。だけど、なぜか塗り直さずにB社の塗装がされたトラックをA社の仕事で乗っていた。

 そうするとトラックの運転をめぐるトラブルがあった時に、苦情はダンプに社名が塗装されている無関係のB社にいくわけです。勤務先とそうしたトラブルがあったようです。今回のような悲惨な事件は許されるものではありませんが、元の勤務先で十枝内さんともそういったトラブルを抱えていたのかもしれません」

 十枝内さんの運送会社を辞めて、どのようなトラブルが起きていたのだろうか。事件の真相究明が待たれる。

◆取材・文/高橋ユキ(フリーライター)

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