TAD、フルバランス回路で電源独立のハイエンドプリアンプ「TAD-C700」
プリアンプ「TAD-C700」
テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TADL)、ハイエンドのReferenceシリーズの新製品として、プリアンプ「TAD-C700」を6月下旬に発売する。価格は572万円。
高性能な1段増幅電流帰還形アンプを、フラットアンプ部に搭載。増幅素子を必要最小限とすることで、音源の持つ情報量を余すことなく伝達するという。
入力端子はバランス×4、アンバランス×2。出力端子はバランス×2、アンバランス×2を搭載。2系統の出力端子それぞれに専用の出力段増幅回路を備えることで、信号分岐や後段接続機器同士の干渉などを防ぎ音質劣化の原因を排除した。
正と負の信号や左右のチャンネル間で発生する増幅誤差を極限まで抑えるため、入力から出力まで正負対称のフルバランス増幅方式を採用。入力端子から出力端子までの配線の長さやスタイリングまで正負、左右を同一に設計している。
正負、左右の対称性を徹底的に追求した“デュアルモノコンストラクション”を採用することで、電気的、メカニカル的に回路の信号増幅環境を同一にし、優れた“ステレオフォニック”を実現するという。
電源部が別筐体になっており、メカニカル部やオーディオ回路に悪影響を及ぼすトランスの不要振動と漏洩磁束を排除。電源トランスの内部巻線を直出しすることで引き出し線との接点を極力削減し、電源回路の高純度化を図るとともに、直出し線のターミナル、基板マウントターミナル、締結ビスに非磁性のメッキとOFC純銅を採用。磁性歪も排除した。
オーディオ用の電源トランスには、400VAとパワーアンプ並みのトロイダルトランスを搭載して信号応答性能を高めるとともに、電源部の筐体には制振性能に配慮した強固な鋳造アルミニウム製モノコックシャーシを採用している。
厚さ33mm、質量15kgのアルミニウム無垢材シャーシを使用した振動制御構造で、スピーカーなど外部からの振動を抑えている。無垢材シャーシを使うことで、インピーダンスの低い安定したアース電位を得られ、安定した純度の高い音を再生できるとする。
TADオリジナルのラダー抵抗切替型電子ボリュームを採用し、超高精度ATT特性と低歪率(0.0005%以下/1Vrms入力時)を実現。電源回路では、平滑用コンデンサに繰り返し試聴して開発した電解コンデンサを、出力カップリング用コンデンサには、低域のカットオフ周波数を広帯域化する大容量超低歪フィルムコンデンサを採用している。
Master/Slave端子も備え、Masterアンプとして使用する1台のTAD-C700で、Slave端子に接続した複数のTAD-C700を同期制御も可能。完全モノラルプリアンプ構成や3チャンネル以上のプリアンプ構成も可能。
入力したオーディオ信号を、セレクター回路を通さずにそのまま出力できる録音出力と、入力と同じレベルでプリアウトから出力するパススルー機能も備えている。素子による音質劣化を防ぐため、モニタースイッチは搭載していない。
消費電力は52W、外形寸法は本体部が450×440×150mm(幅×奥行き×高さ)、電源部が220×430×185mm(同)で、重量は本体部が29kg、電源部が15kg。