「付け焼き刃の対策は最悪の帰結を導きます」特定技能制度による外国人労働者、5年間で82万人受け入れ
3月7日の「おはよう寺ちゃん」（文化放送）では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、外国人労働者の受け入れに関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「やってくるのは労働力ではなくて人間」
政府は外国人労働者の在留資格「特定技能」の受け入れ枠を自民党に提示した。2024年度からの5年間で現行の2倍以上の82万人を受け入れる。同じく人手不足に直面する他国との人材争奪はますます激化する。日本が「選ばれる国」となるための支援策を整えることが急務となる。
厚生労働省が発表した2023年10月の外国人労働者はおよそ200万人だった。JICA（国際協力機構）などは年平均1.24%の成長を2040年に達成するには、674万人の外国人労働者が必要だと推計する。
政府は特定技能だけでなく、技能実習に代わる非熟練労働者の新制度「育成就労」などと合わせて受け入れ数を増やしていく方針だという。
円安や相対的に低下した賃金水準は、日本が「選ばれる国」になるための足かせとなりつつある。賃金面の魅力を高める努力とともに、外国人の職場への順応や生活環境の支援策を整えることが重要。
寺島アナ「藤井さん、これはどういう印象をお持ちでしょうか？」
藤井氏「こういう付け焼き刃の労働者確保対策は最悪の帰結を導きます。労働力ではなくて人間がやってくるんです。
この記事のベースにある政府の考え方は、ただ単に労働力が足りないから労働力を調達しようということで外国人を入れたらいいという馬鹿みたいな議論をしているわけですけども、やってくるのはいま申し上げましたように人間でありますから、その人には文化もあれば社会的な規範も日本人とは違う規範を持っていて、それによって日本社会の秩序がどんどん崩れていくということは外国の例を見ても明白なんです。
従って、日本国内の秩序を保てられる範囲の受け入れであれば、可能性としては僕は検討しても構わないと思いますけれども、これだけ急速に、これまでの2倍以上の82万人を受け入れるわけでしょ？」
寺島アナ「えぇ」
藤井氏「そしたらもう社会が混乱するに決まってるわけです。というか既にいま移民を受け入れることで、日本人であれば起こさないであろう暴動がクルド人のみなさんによって起こっていたりするということもあるわけですから。べつにこれはクルド人の方だけを言っているわけじゃなくて、あらゆる国において。日本人だって、よその国に行ったら暴動を起こすかもしれないし。
ですから社会のルール・秩序というものと、その外国人が持っている社会のルール・秩序というものが乖離するのが一般的ですから。従って、移民というものが起こったときに暴動を始めとした様々な治安悪化・秩序の崩壊ということが起こるものなんです。
そういうものについての配慮がこの政府決定にあるのかというと、全く無いわけでございます。EUのブレグジットがなぜ起こったのか、トランプがなぜあんなにアメリカで支持されて大統領までやっているのかと。それも偏にといっても大袈裟じゃないレベルで“移民問題”なんです」
寺島アナ「メキシコに壁作るぞ、国境にっていうね？」
藤井氏「そうです。いまやロンドンは外国人のほうがイギリス人よりも多かったりして。そうなってしまったのがEUというものだから、EUから離脱するにはとてつもない大きな被害が及ぶにもかかわらず、それがわかっているにもかかわらず、イギリスは離脱という判断を下したんですよ。日本は比較的移民の少ない国だったから気づいてないかもしれないけど、これはとてつもない過去になります」
