Image: X

注意して見てみると、見えてくる変なところ。

最近、SNSで出回っている1980年代風の服を着た男性がマクドナルドでタバコを吸っている写真。2100万回以上閲覧されているバズり画像なんです。長い茶色の巻き髪と口ひげのある男性が写っていて、タバコを吸っています。昔はマクドナルドの一部店舗では、喫煙OKだったんですよね。

でも、これ、完全にニセモノなんです。生成AIを使用して作成された画像なんです。

よく見るとおかしいところ

よく見ると、AIを使用して作成されたことがわかる兆候がいくつかあります。

まず、手を見てみてください。男性の左手が異常に長く、手首がなくてまっすぐになっています。腕から突然指になっている感じですよね。

Image: X

次はテーブルの上の赤いカップ。コカ・コーラのロゴを真似しようとしたけれど、失敗して意味を成さない線になっていますね。その横のマクドナルドのMのアーチはフライドポテトの箱に見えますが、フライドポテトのパッケージは黄色ではなく赤です。さらに箱にストローが差してあるようにも見えますね。

後ろのおじさんはもっと変!

ロン毛のおじさんの後ろにいる男性にも注目してみましょう。

手!手がちぎれてる! 顔もパンチを喰らった瞬間みたいに歪んでいます。よく見ると帽子もバケットハットぽいですけど、ツバが前にしかついていないですね。

Image: X

右隅の文字を見てみましょう。マクドナルドの看板に近い形ですが、「MODLIDANI」と書かれているように見えます。

Image: X

服もよく見ると…

最後にもう1度ロン毛のおじさんに注目。服装です。デニムのベストを着ているように見えますが、袖は白いTシャツのように見えます。だけど前は胸毛が全開です。白い袖付きのベストを素肌に着てる感じになってますね。

この画像がバズった理由は、マクドナルドで喫煙できているから。もしくはレトロな男性の髪型か。そのどちらもかもしれません。

レストランや公共の場所での喫煙は、段階的に廃止される前まではアメリカでも一般的なことでした。20世紀の終わりごろまでは、多くの州でレストランでも「喫煙」「禁煙」エリアを設けていました。21世紀初頭までに、ほとんどの屋内でタバコが吸えなくなりました。一部の州では今でも施設屋内での喫煙を許可しているところもありますが、年々珍しくなっています。

もしこの画像を見て、AIだとわからなかった!という方。じっくり検証しないと疑問に思わないことの方が多いので、心配しないでください。

都合よく見逃してしまうもの

保守系風刺ニュースサイトBabylon Beeの元ライターFrank J. Fleming氏は、このニセの喫煙画像を共有する際に、ほとんどの人は警戒心を持っていなかっただろうと指摘しています。

「明らかなAIの兆候がたくさんありますが、ほとんどの人はそれを見逃してしまいます。

なぜなら、誰かがあなたをだますための画像だと思って見るわけではないので、それほど注意深く分析する理由がないからです」

2023年にも大きな白いダウンを着たローマ教皇の画像がバズっていましたが、そのときも本物だと思う人が多かったようです。見る人にとってそんなに重要ではないもので、目を引くおもしろさがあるものはすぐ信じちゃうんですよね。

そしてこれからもニセの画像はどんどん増えていくでしょう。特に大統領選挙が目前に迫っているアメリカでは、さらに多くの人をだますような画像が出てくるでしょうね…。

文章から動画をつくるAIで、世の中がすんごいことになりそう(この映像ぜんぶAI)