横浜FMがアンデルソン・ロペスのPKでベスト8進出【写真:2024 Asian Football Confederation (AFC)】

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ACLラウンド16第2戦、横浜FMとバンコク・ユナイテッドが激突

 アジアナンバーワンクラブを決めるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)は決勝トーナメントの戦いがスタートし、2月21日に横浜F・マリノスバンコク・ユナイテッド(タイ)との第2戦に臨み、延長後半終了間際の決勝ゴールで1-0の勝利。

 8強入りを決めた。

 今回からACLは完全な秋春制に移行。横浜FMは昨年9月に開幕したグループリーグで4勝2分。勝ち点12で3チームが並ぶ大混戦ながら首位通過し、日本でのシーズンをまたぐ形になる決勝トーナメントへ進出。現役時代にオーストラリア代表で名サイドアタッカーとして活躍したハリー・キューウェル新監督が就任しての初戦は、敵地で2-2の引き分けだった。

 横浜FMはその初戦で退場処分を受け2試合の出場停止となったDF松原健に代わり、DF渡邊泰基が左サイドバックでスタメン出場して右にDF加藤蓮を回した。序盤に攻勢に出た横浜FMは前半19分に相手ボールをカットしたところからのショートカウンターで攻め込み、FWエウベルが際どいミドルを放つも枠外に飛んだ。

 その後はバンコクUが主導権を握る時間帯もあったが、前半30分過ぎからは一方的に横浜FMが押し込む展開に。それでも6バックになってでもゴール前を固めるバンコクUを前に先制ゴールは奪えずに前半を0-0で終了した。

 スコアが動きそうな場面がなく進んだ後半15分、キューウェル監督はFW宮市亮とMF天野純を交代でピッチに送り込んだ。そして後半23分にはFWヤン・マテウスの速いクロスにゴール正面で天野がコースを変えるビッグチャンスを迎えたが、ボールはクロスバーの上に飛んでしまった。さらに横浜FWは後半33分にFWアンデルソン・ロペスがペナルティーエリア内で右足シュートを放つも相手GKがファインセーブ。そのボールがゴールポストに当たった跳ね返りも押し込めなかった。

 試合はこのまま0-0で後半を終えた。今大会はアウェーゴールのルールが廃止されたため、2戦合計スコア2-2での180分終了となり延長戦へと突入した。

 その延長前半、横浜FMのコーナーキックのチャンスでゴール前の競り合いが生まれ、プレーが流れた後にDFエドゥアルドに対するファウルがあったのではないかとしてビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が介入してオンフィールドレビューが行われるも、主審はPKではないとして判定を変えなかった。また、延長後半にも横浜FMがカウンターでマテウスが抜け出しかかった場面で受けたファウルの場面が、決定的な得点機会の阻止に該当するのではないかとVARが介入してオンフィールドレビューが行われるも、こちらも判定は変わらなかった。

 そして延長後半終了間際、横浜FMは右サイドから途中出場のFW村上悠緋が切り込んで中央へラストパス。これを相手選手がスライディングでクリアしようとしたが、ボールは腕に当たりハンドの反則になった。当初はペナルティーエリア外のファウルと主審が判定していたが、反則はペナルティーエリア内だったというVARオンリーレビューでPKに判定が変更。これをFWアンデルソン・ロペスが蹴り込み、劇的な決勝ゴールで1-0の勝利。横浜FMはACLで初のベスト8入りを決めた。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)