X(旧Twitter)の投稿をアカウントなしで閲覧したりRSS化したりできる「Nitter」がXからブロックされたことが明らかになりました。すでに多くのNitterサーバーが閉鎖しています。

GitHub - zedeus/nitter: Alternative Twitter front-end

https://github.com/zedeus/nitter

NitterはXの投稿内容を「おすすめ」などのノイズを除いた状態で閲覧したり、投稿内容をRSSで購読したりできるサービスです。Xが非ログイン状態での投稿閲覧に制限を設けた後は「ログインなしでXの投稿を閲覧できるサービス」としても注目を集めていました。Nitterがどんな機能を備えているのかは、以下の記事にまとめています。

Twitterを広告なしの超軽量に変える「Nitter」、タイムラインをRSS化することも可 - GIGAZINE



Nitterでは、2023年8月15日頃にXの仕様変更によって投稿の閲覧が不可能になる事態が発生しました。



2023年8月18日には「プロキシを使って『ゲストアカウント』を取得することで投稿を取得可能にする」という対応策が提案され、Xの投稿がふたたび閲覧可能となりました。Nitterの開発者であるzedeus氏によると、「ゲストアカウント」とは「古いバージョンのiOS版XアプリやAndroid版Xアプリの初回起動時に作成されていた1カ月だけ機能する匿名アカウント」を指しているとのこと。Nitterは「ゲストアカウントの期限が切れるたびに新たなゲストアカウントを取得する」という対策を組み込むことで2023年8月以降もXの投稿を閲覧できる状態が続いていました。



しかし、2024年1月28日にはゲストアカウントの新規取得が不可能になったことが判明。ゲストアカウントの新規取得が不可能になったことにより、現在使用中のゲストアカウントの期限が切れてしまえばXの投稿を取得できなくなります。zedeus氏は「リアルアカウントは即座にレート制限が課され、削除される可能性が高い。もうNitterに道はない」と述べ、これ以上の対策が困難であることを明かしています。



さらに、同日にはNitterの公式サーバーである「nitter.net」の証明書が期限切れとなり、ブラウザでアクセスしようとすると警告が表示されるようになりました。



記事作成時点では証明書期限切れを無視する設定にすればアクセス自体は可能。



各アカウントの投稿内容も確認できます。しかし、セキュリティ上のリスクを考えると「nitter.net」にはアクセスしないのが無難です。



NitterのGitHubリポジトリでは「nitter.net」の証明書期限切れが報告されていますが、zedeus氏は「Nitterは死んだ」とコメントしています。



Nitterのソースコードは公開されており誰でもホスト可能なため、インターネット上にはNitter公式サーバー以外にも有志が作成したNitterサーバーが数多く存在しています。しかし、有志のサーバーでも「ゲストアカウントの期限が切れればXの投稿を取得できなくなる」という状況は同一であり、多くのサーバーが続々とサービスを終了しています。例えば、有志サーバーの中でも人気だった「nitter.cz」にアクセスすると「Nitterは終わった」というメッセージが表示されて投稿を閲覧できなくなっています。

Nitter is over

https://nitter.cz/



以下のページでは世界中に存在するNitterサーバーの死活状況を確認可能。「nitter.net」や「nitter.cz」を含む多くのサーバーが閉鎖に追い込まれていることが分かります。

Nitter Instance Health

https://status.d420.de/



なお、Nitterのソースコードは以下のリンク先で公開されています。

GitHub - zedeus/nitter: Alternative Twitter front-end

https://github.com/zedeus/nitter