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トレードにおける選択肢は「買い」と「売り」の2つだけではありません。3つ目の選択肢とはどのようなことでしょうか? みていきます。

FXで「待つ」ということの重要性

「待てない」初心者トレーダー

FX初心者のなかには、常にポジションを持っていないと不安になってしまう人がいます。機会損失を避けたい一心で、相場の流れにかかわらずトレードしてしまう人は少なからず存在します。

為替市場には、トレードしやすい時期とトレードしにくい時期があります。株式市場や世界情勢の影響で、市場が混沌としている時期は非常に難しい相場になる傾向があります。明確な理由もない急な為替変動で、損失を被ってしまった人は多くいるでしょう。市場の乱高下でたまたま利益を出せる場面もありますが、長期的に見てそのような乱高下状態でのトレードは損失に結びつきます。

このように相場の動きには難易度の波が存在します。FXで継続的に利益を出すためには、相場の難易度をしっかりと見極めて、難しい局面でトレードせず、待つという選択肢を取ることが重要になります。

相場の雲行きが怪しいときはなにもせず待つことがあってもいいのです。

「待てる」プロトレーダー

実は、プロトレーダーはFXを行うにあたって、トレードしている時間よりもトレードチャンスを待つ時間のほうが長いのです。

プロトレーダーにとって、FXで利益を出し続けるためのコツは「勝率の高いトレードをし続けること」と考えています。勝率が高いトレードを続けていれば自ずと利益がついてくるという考え方です。そのため、プロトレーダーたちは数あるトレード手法のなかでも自分のトレードスタイルにあった手法を選択し、その手法が最大限に活かせる瞬間をひたすら待ち続けるのです。

一見、待つことは機会損失を促す行為だと思われがちですが、長期的に考えると非常に効率的な選択肢といえるのです。

じわじわ資産を減らす初心者トレーダー

待つという選択肢があるかないかでトレードの成績も大きく変わります。

機会損失を恐れる初心者トレーダーは、相場がどんな局面でもポジションを持とうとします。前述したとおり、相場には難易度の波が存在します。容易な相場では、トレンド方向さえおさえていれば誰でも利益を出せることがあります。逆に難易度の高い相場では、プロトレーダーでさえ利益を出せないことがあります。多くの初心者トレーダーは、自分のトレードスキルを考えることに精一杯で、相場の難易度を考えようとしません。

その結果、相場が難しい局面でもポジションを構築し、じわじわ損切りを重ねて資産を減らしてしまいます。特に容易な相場で偶然の利益を出したトレーダーは利益を出したときの感覚に陶酔し、いつでも利益を出すことができると勘違いする傾向があります。

ここぞの場面で資産を増やすプロトレーダー

相場の局面を考えない初心者トレーダーに対して、プロトレーダーは相場の難易度を常に意識しています。

自分のトレード手法が確立しているプロトレーダーは、そのスキルが存分に活かせる瞬間をじっと待ちます。待つことによって、無駄なエントリーを減らし、最終的に残る利益を増やします。また、勝負所がわかっているプロトレーダーは、トレードの機会が回ってきた瞬間に大きなロットを張ってトレードします。確率に基づいたトレードを行うプロトレーダーは、ここぞという場面で大きく稼ぐことができるのです。

じわじわ資産を減らしてしまう初心者トレーダーと大きく資産を増やすプロトレーダーの差は「待つことの重要性をわきまえているかどうか」の違いにあると言えるでしょう。

「買う」「売る」のほかに「待つ」の選択肢を

今回は、トレードにおいて「待つ」という選択肢の重要性を、初心者トレーダーとプロトレーダーのトレードの違いをもとに解説しました。

トレンドの種類が上昇、下降、レンジと3種類あるようにトレードにも買い、売り、待つという3種類の選択肢があります。しかし、多くの初心者トレーダーは「待つ」という選択肢の重要性を理解していません。待つことは資産を減らさないための最大の防御となるのです。

守りが固いプロトレーダーの成績がいいことから、FXで利益を出すためのコツが待つという選択肢に隠されていることがわかるでしょう。自分のトレードを振り返った際に無駄なトレードが多いと感じる人は、自分のトレードに「待つ」という選択肢があったかどうか振り返ってみましょう。

トレードを見送ることは今日のトレードから実践できます。特に難しい技術を必要としないため、誰でも実践することが可能です。自分のトレードを根本的に変えていきたい人は「待つ」という選択肢を取り入れてみてはいかがでしょうか。

清水 一喜

株式会社ソーシャルインベストメント

執行役員