パク・ヘスが完全に「君と私」と「セミ」のキャラクターに入り込むことができたのは、真心と信念があったからだった。彼女は「現場で演技をする前に、演じる人物に対する理解度が高い時こそ、演技する時に気が楽ですし、自分自身に対する確信を持つことができるんです。事前準備の過程で些細なことでも質問をたくさんするなど、監督をすごく苦しめる方ですし、質問もたくさんしました。監督が読み合わせの時から、セミというキャラクターについては私に多くを任せてくれましたし、自分が準備したものに対して『とても良い』と言ってくれたので、自信が持てました。そのため他の作品と比べて、私が考えていたことがキャラクターにたくさん入っていると思います」とし、「セミというキャラクターのためだけではなく、『君と私』が持っている追悼のメッセージなどに対して責任感を感じましたし、少しでも誰かを傷つけない方法で近づきたいという思いで、追悼空間に行きました。たくさん祈り、遺族のお母さんたちの演劇も観に行きました。大きな空間での芝居ではなかったので、客席と舞台が近く、お母さんたちが演技している間、目を見ながらいろいろなことを考えました」と語った。

セミはパク・ヘスのために準備されたキャラクターのようだった。多くの部分がパク・ヘスに似ていたからだ。彼女は「似ている部分があります。もっと幼かった時、セミと同じだったのが、愛する気持ちを表現するのが下手だった部分です。だからセミのように嫉妬したり、文句を言ったり、怒ったりしました。それでも今は成長して、そのように表現するよりも、相手が好きな方法で見せようと思っています。『君と私』を通して、周りの人々に対する愛や、もう少し広い意味での愛について初めて考えてみて、そのような愛を感じたりもして、その愛を伝えたいという気持ちも大きくなりました」と説明した。

それでは、パク・ヘスの学生時代はどうだったのだろうか。パク・ヘスは「セミと同じような学生でした。今は当時よりしっかりして成長したと思いますが、当時はセミのように、好きな友達にそれを表現する方法が下手で幼稚でした。女子高生たちだけの、幼稚だけど、お互いに好きな瞬間がありました」とし、「試写会に友達が来て、昔のことを思い出したと言っていました。その友達は、私にとってハウンとセミのような愛ではないけれど、私に愛を教えてくれた友達です。彼女たちといると、当時の自分の姿に戻るんです」と話した。

「君と私」を通して自分を振り返り、多くの慰めを得て、自分の中にある愛を確認したパク・ヘス。彼女は「自分を振り返る方法、世界を見る方法にも変化がありました。それまでは演技に対する情熱も溢れていて、一喜一憂する弱い人だったのですが、『君と私』に出会って、もう少し自分以外の他人に対する愛を考えるようになり、これが大きな波の中の一つの曲線なんだろうなと思いました。すべてが過ぎ去る過程の中にあるのだと思いました。そのためより多くの面で落ち着いていられたのだと思います」とし、「『君と私』という映画に、自分が収めたかった瞬間が収められたと思います。この映画を観ると、撮影をした時、準備をしていた時などが思い浮かび、何を収めたいと思い、成長したかを改めて思い浮かべます。縁に対して感謝の気持ちを持つようになり、自分の心の中に愛というものがあまりないと感じていた瞬間に『君と私』に出会い、愛をもっと引き出すことができたので、大きな意味があると思います」と語った。

「君と私」を通じて約2年ぶりに活動再開を知らせたパク・ヘス。彼女は「誰もが心に大小の傷を抱えて生きていますが、そんな人たちに『大丈夫だよ』というセミの言葉が温かく伝わってほしいです」とし、「できるだけ多くの観客に実際に会いたいです。舞台挨拶、GVをたくさんやりたいです。それ以外の計画はまだありません」と語った。