バウアーのMLB復帰願望にも冷ややかムード いまだ“オファーなし”の現状に米メディアはシビア評価「望まれているだろうか」

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DeNAで圧巻の投球を披露したバウアー。しかし、米球界内での評価は手厳しい。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

「アメリカで野球をプレーすることが、今の目標だ。自分は世界で最高の投手の1人だと思っている。だから最高のレベルで競い合いたい。ここ2年半は人々を助け、野球のために情熱を捧げている」

 今オフにDeNAとの単年契約が終了し、フリーエージェントとなったトレバー・バウアーは、切実に母国復帰を訴えた。現地時間1月4日に米放送局『FOX News』の番組「America’s Newsroom」に生出演した怪腕は、「今は責任を負っている。僕は良い人間になろうとしている。さらに良くなれるような機会を得たい。自分は変わった」とも吐露。自らの願望を包み隠そうとはしなかった。

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 もっとも、交渉は停滞している感が否めない。というのも、バウアーは21年に私生活での知人女性への振る舞いがDV禁止規定違反に抵触。メジャーリーグ機構から324試合の長期の出場停止処分(その後、処分は194試合に短縮)を受け、“問題児のレッテル”を張られてしまっている状況だ。

 すでに処分は終了し、昨年10月には当該女性とも和解に至っている。本人も先述の番組において「100%、同意の上だった。僕は性的暴行をしたことは決してない」と強調。そのうえで「僕は間違いを犯した。やるべきでなかったことをしていたことに同意する。その過程で多くの人を傷つけた」と謝罪の意を示している。

 それでも米球界内での評価はシビアだ。ニューヨークに拠点を置く日刊紙『New York Post』は「バウアーは自身に対する信頼を回復させようと動き出している」と指摘。さらに米スポーツメディア『Dead Spin』は、現時点でメジャー球団との交渉が滞っており、春季キャンプへの招待もないと伝えたうえで、「日本からのメジャー復帰を模索しているが、MLBのチームから彼の復帰は望まれているだろうか?」と疑問を投げかけている。

 DeNAでは元サイ・ヤング賞投手としての実力を惜しみなく発揮したバウアー。このまま、母国でめぼしい球団が見出せなければ、日本球界復帰の道も見えてくるかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]