2年連続最下位からV奪回を目指す中日チーム展望 浮上する「二遊間問題」「一塁手渋滞問題」とは

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龍空は打撃向上が求められている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 2年連続の最下位から上位浮上を目指す中日はオフに積極的な補強に動いている。

 何といっても話題を集めたのは巨人から移籍した中田翔内野手だろう。働き場所を求めて、自らオプトアウトの権利を行使して巨人との複数年契約を破棄、新天地での活躍を誓っている。また中田といえば、過去3度の打点王に輝くなど勝負強さが持ち味。自身もこの点にはこだわりを見せており、クリーンアップが想定される中田の前にいかに走者を溜められるかも焦点となりそうだ。

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 ほかにも巨人を戦力外となり2000本安打まで残り72本となっているベテランの中島宏之内野手、同じくソフトバンクを戦力外となった上林誠知外野手、阪神から戦力外となった山本泰寛内野手を獲得など、他球団で実績を積んできた選手たちにターゲットを絞って補強を進めている。

 新外国人選手としてはアレックス・ディッカーソン外野手(33=米独立リーグ・ロングアイランド)を獲得。ディッカーソンは190センチ、104キロと恵まれた体格からなる左の長距離砲。メジャーではパドレス、ジャイアンツ、ブレーブスでメジャー通算40本塁打も記録している。

 一方、チームの懸案としては大事な二遊間をいかに固定するかも大事なポイントとなりそうだ。若手の積極起用を打ちだし、2022年オフに阿部寿樹と京田陽太をトレードで放出した際には大きく注目を集めた。2023シーズンにおいて遊撃は龍空、オルランド・カリステ、二塁手としては村松開人、福永裕基などが多く出場したが、いずれも打撃面が課題とされる。中でも遊撃手としてチーム最多の81試合でスタメン出場した龍空は打率・187とレギュラーとして試合を任されるためにはさらなる成長が必須となりそうだ。

 また移籍してきた中田が定位置となりそうな一塁ポジションに関しても実績を残してきた選手の扱いが注目される。中日一筋、今季で来日9年目を迎えるダヤン・ビシエド内野手の2023シーズンは91試合に出場、打率・244、6本塁打、23打点とふるわず。シーズン中にはファーム落ちも経験した。中田が加入したことで出場機会が減ることは想定されるとあって、立浪和義監督がどのように「再生」を促していくかも注目となる。

 ほかにも巨人では右の代打として存在感を示した中島も一塁手とあって、ポジションが重なる選手をどのように機能させていくのかはチームの上位浮上を目指すためにも大事なピースとなりそうだ。

 投手力は認められながら、昨年もチーム本塁打(71本)、チーム打率(・234)ともにリーグワーストと貧打解消が近年のチームにおいて最大の宿題となっている。就任3年目の立浪監督にとってもいよいよ真価が問われるシーズン。どのようなタクトをふるい、チームを上昇気流に乗せていくか、注目となる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]