「青山学院が優勝できるなんて思いました?僕だって思ってなかった」と振り返った青山学院大学・原晋監督のレース後の追加取材。

 

2月の段階で「準優勝でいい」と選手に伝えた真意について――
(駒澤大学の戦力を考慮すると)現実問題として難しかった。こちらが120%の力を発揮した上で、かつ相手にアクシデントなどがあった場合だけチャンスがあるという状況。また、その時点で得ていた情報で、駒澤さんは順調。一方で我々はインフルエンザの罹患や主力級の故障など、ハンデがある。現実を見て、『勝てるのか』ということです。もうひとつは、そういう環境下でも学生たちは「優勝だ!」と言っているので、ちょっと力を抜いてやろう、リラックスさせよう。優勝はそういう状態の先にあるものだということを理解してもらいたかった。現実を直視せず、学生の気持ちに乗っかって、私が「よっしゃ、優勝だー」というのはウソになる。

前回は山で苦労した――
去年と比べて、今年は5区6区で8分くらい違う。去年は上りが3番手、下りは4番手を起用せざるを得なかった。今年は1番手、1番手をきちんと準備して起用することができた。去年と今年は準備段階から状況が違った。ただ、しっかり準備していたとしても、中央大学さんのように12月下旬の体調不良では対応できない。うち場合、インフルエンザの流行は12月の頭でギリギリだった。でもこれは新たなメソッドの発見だった。12月の強化するべき時期に(練習が)抜け落ちた時、その穴埋めをどうしたら走れるのか、頭の中で整理できた。

準優勝狙いということを伝えて以降、選手たちはどう変わった?――
んー。4年生は最後の最後まであきらめずに、常に頑張ってくれている。26日に1万m学内記録会があるんですけど、そこでメンバーに漏れた4年生が上位に入ってきた。そういう姿が結果的にチームに『この人たちはあきらめてないぞ』というメッセージになったんだと思う。

下級生が結構残るが、来年に向けて――
今年は(箱根の)経験がない選手が多かったという不安があった。いくら青学メソッド、原メソッドの組み立てができているからといって(未経験の選手が)走れる、走れないは確率論。そこに不安はあったが、きちんと走ってくれた。一回走った人間は同じことをやっていって同じスタートラインに立たせれば、それは確率が上がる。そういう面でメンタル的には、選手も私も楽でしょうね。