巨人、ケラー獲りの背景 ライバル阪神から禁断の補強 見えた阿部巨人の本気度

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阿部監督もブルペン強化を打ち出している(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 今季、2年連続のBクラスに沈んだ巨人が「禁断の補強」に乗り出しました。

 暮れも押し迫った12月26日、今シーズンまで阪神でプレーした右のセットアッパー、カイル・ケラーの獲得を発表したのです。

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 今シーズン、巨人は救援陣の防御率がリーグ6位の3・81とリリーフ強化がオフの最重要課題。ソフトバンクからは泉圭輔と高橋礼、オリックスから近藤大亮、さらには12球団ドラフトで阪神から馬場皐輔を獲得するなど、精力的な補強を繰り返していましたが、好敵手である阪神から複数の投手が移籍するのは極めて異例。阿部新監督が就任して迎える初年度のシーズンへ、なりふり構っていられないチーム事情がうかがえます。

 スポーツ紙のプロ野球担当記者が言います。

「ケラーは来日初年度の2022年シーズン、6月から8月にかけて17試合連続無失点を記録するなど、安定性に秀でています。メジャー球団も狙っていて、日米を巻き込んだ争奪戦に巨人が勝利したとの情報もある。8月に家族の急病を理由に緊急帰国しましたが、今後の来日に支障はない模様で、巨人は弱点を補う貴重なピースになることでしょう」

 そして、今回の補強のポイントをこう解説するのです。

「巨人としてはNPBを経験済みの助っ人を獲得できたことに意味がある。NPB未経験の外国人選手は正直、計算が立たないんです。例えば今年の開幕前に期待されたビーディは開幕投手を務めながら、0勝6敗1セーブ、防御率3・99と散々なデキだった。ロペスも守護神・大勢につなぐ勝利の方程式の一角を期待されたが、登板はわずか8試合にとどまり、防御率も4・05と期待を裏切った。ケラーは阪神で61試合の登板実績があるから、大崩れはしないとの想定ができます。阿部監督としては勝ちパターンのブルペンを託したいところでしょう」

 阪神の2年間で59イニングを投げ、74奪三振の奪三振率11・29は魅力的。ケラーが阿部巨人による“慎撃”の象徴になれるのか、来春の開幕が待ちきれません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]