西武とヤクルトが年の瀬トレード! ドラ1右腕、宮川哲投手と燕の背番号「6」元山飛優内野手の交換トレードを発表 背景にある両球団の「思惑」「埋めたいピース」とは

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高津監督も今季はチームのやりくりに苦しんだ1年となった(C)TakamotoTokuhara/CoCoKARAnext

 いよいよ年末がちかづいてきた野球界で駆け込みトレードが成立した。西武とヤクルト両球団は12月21日、西武・宮川哲投手とヤクルト・元山飛優内野手の交換トレードを発表した。

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 宮川は2019年ドラフト1位で東芝から入団。社会人出身とあって即戦力右腕として期待され、1年目の2020年に49試合に登板して13ホールドをマークし頭角を現すと、昨季は45試合登板で防御率2.59を記録した。ただ今季は先発に挑戦するも、4試合の登板で防御率7.16に終わっていた。

 宮川は球団を通じて「チャンスだと思っていますし、それを生かすことができるのは自分だと思うので、やってやろうという気持ちです」と決意を語った。

 またヤクルトから移籍が決まった元山は2020年ドラフト4位で東北福祉大から入団。ルーキーイヤーの2021年は97試合に出場して打率.255、3本塁打、17打点もマークと幸先のいいスタートとなったが、今季は22試合に出場して打率.179、0本塁打3打点とふるわなかった。元山も球団を通じ、「このたび、埼玉西武ライオンズに移籍することが決まりました。スワローズでの3年間、多くの方々に支えていただき本当に感謝しています。そして、ファンの皆さまの応援がすごく心強かったです。今後は新天地で活躍している姿をお見せできるよう頑張っていきたいと思います」とコメントした。

 一方、今回のトレード成立には両球団の思惑も感じられる。まずヤクルトが求めた宮川はリリーフとして実績があり、今季チーム課題とされた、ブルペン強化が念頭にあるようだ。昨年まで守護神を務めたスコット・マクガフがいなくなったことにより今季は左腕、田口麗斗が抑えの座に回った。田口は抑えとしてリーグ2位の33セーブをマークと安定した成績を残したが、逆に田口が埋めていた勝負所の7、8回を投げる投手が不足した側面はあった。結果として後ろの投手陣が安定せず、星を落とした試合も多かったとあって、ドラ1右腕に照準を当てた形だ。

 また元山を獲得した西武は、前日にベネズエラ出身のヘスス・アギラ―内野手の獲得を発表したばかり。山川不在となった今季、チーム総得点(435点)、本塁打数(90本)はいずれもリーグワーストと得点力不足に悩まされた。一、三塁を守ったデビッド・マキノンも退団となったことでパンチ力のある内野手が補強ポイントに。元山は「ミスターヤクルト」で知られる宮本慎也氏の背番号「6」を背負い、高い守備力とシュアな打撃が持ち味。ポスト山川体制を急速に固めているようにも見える補強となった。

 いずれにせよ、両球団ともシーズン5位に沈み、2024シーズンは上位浮上を目指す。元々地力のあるチームどうしとあって、今回のトレードがいかにチーム内の好循環を生み出すか。移籍したそれぞれの選手の新天地の活躍も願いたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]