Appleの純正メッセージングアプリ「iMessage」をリバースエンジニアリングして開発されたAndroidメッセンジャーアプリ「Beeper Mini」は、AndroidデバイスでもiPhoneからのメッセージと同様の青い吹き出しでiMessageのチャットに参加できるというアプリでした。しかし、Beeper Miniは登場からわずか3日後の2023年12月8日に送受信が機能しなくなり、翌9日にAppleが対策を取ったことを認めました。

Apple responds to Beeper’s iMessage for Android: ‘We took steps to protect our users’ - The Verge

https://www.theverge.com/2023/12/9/23995150/beeper-imessage-android-apple-statement

Apple shut down Beeper Mini's iMessage for Android

https://9to5google.com/2023/12/09/apple-beeper-mini-imessage/

Apple blocked Beeper Mini’s iMessage Android app, but Beeper will keep pushing | Ars Technica

https://arstechnica.com/gadgets/2023/12/beeper-minis-imessage-app-for-android-is-broken-possibly-by-apple/

Apple cuts off Beeper Mini’s access after launch of service that brought iMessage to Android | TechCrunch

https://techcrunch.com/2023/12/08/apple-cuts-off-beeper-minis-access-after-launch-of-service-that-brought-imessage-to-android/

Beeper Miniから送信されるメッセージは、iMessageと同様にエンドツーエンドで暗号化されており、開発企業のBeeperやAppleが中身を見ることはできません。また、Beeper Miniの最大の特長として、本来緑色の吹き出しで表示されるAndroid端末からのメッセージがiPhoneからのメッセージと同じく青色の吹き出しで表示されます。

こうした機能について、Beeperのエリック・ミギコフスキーCEOは「iPhoneをジェイルブレイクしてOSを徹底的に調査し、どのように機能するかを確認しました」と述べています。

Androidからメッセージを送ってもiMessageで青い吹き出しになる「Beeper Mini」登場 - GIGAZINE



しかし、2023年12月5日のリリースからわずか3日後の12月8日、Beeperは「Beeper Miniにおいてメッセージの送受信ができない問題を調査中です」と報告しました。





実際にさまざまなユーザーが、Beeper Miniを用いて送受信を行おうとすると「サーバーでの検索に失敗しました。検索要求がタイムアウトしました」とのエラーメッセージが表示されることを報告しています。



また、海外メディアのTechCrunchからの「AppleがBeeper Miniの機能をブロックする方法を見つけた可能性はありますか」との問いかけに対しミギコフスキー氏は「確認された全てのデータがその通りであると示しています」と述べました。

その後、2023年12月9日にAppleは「iMessageにアクセスするために偽の認証情報を悪用する手法をブロックすることで、ユーザーを保護するための措置を講じました」と発表し、Beeper Miniからのメッセージをブロックする措置を講じたことを明かしました。またAppleは「これらのアプリはメタデータの漏えいや迷惑メッセージ、スパムメッセージ、フィッシング攻撃の発生につながる可能性など、ユーザーのセキュリティとプライバシーに重大なリスクをもたらしていました」と指摘しています。

Beeperは「Beeper Miniを愛用されていた皆さまにとって、これがどれほど大変な事態であるかは承知しています。ご不便をおかけして申し訳ありません。すぐに良いニュースを届けられることを願っています」とポストしました。





またBeeperは、MacOSやWindows、Androidなどで利用できるチャットアプリ「Beeper Cloud」ではiMessageの機能が利用できることを報告しています。





ミギコフスキー氏はAppleの声明に対して「暗号化されていないSMSと比べて、Beeper Miniはセキュリティ強化に取り組んでおり、送受信されるメッセージはプライベートに保たれています」と反論。さらにBeeper Miniのセキュリティ対策を確認するためにアプリのソースコードをAppleと共有できることが理想と述べています。