MLB復帰はいばらの道? 米球界で“問題視”バウアーにシビアな声が散見 古巣地元紙も拒否反応「当てはまらない」
DeNAで他を寄せ付けない圧巻の投球を披露したバウアー。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
日本球界で短くも鮮烈なインパクトを残した怪腕は、いったいどこへ向かうのか。今オフにDeNAから自由契約となったトレバー・バウアーの去就が注目を集め続けている。
今年3月にDeNAに電撃的に加入したバウアー。世界に衝撃を与える単年契約を結んだ「助っ人」は期待に違わぬ目に見える結果を残した。故障離脱を余儀なくされる時期もあったが、19先発で10勝を記録。防御率2.76、WHIP1.15、QS率78.95%と軒並みハイスタッツをマークし、20年のサイ・ヤング賞投手としての矜持を示した。
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シーズン終了後に契約満了を迎えた“最強助っ人”。一時はDeNAの残留の可能性も流れたが、ほどなくしてバウアーの代理人がメジャーの複数球団と面談を行っているとX(旧ツイッター)上で公表。本人の希望が母国復帰であるのは明確だった。
しかし、現時点で交渉の進展は芳しくはない。2021年に知人女性に対するDV禁止規定違反でメジャーリーグ機構から324試合の長期の出場停止処分(その後、処分は194試合に短縮)を受けるなど、素行を問題視する球団が少なくないようだ。
やはり米球界での復活はいばらの道なのかもしれない。現地時間12月2日には、再建を期する古巣も「ノー」を示した。日刊紙『The Cincinnati Enquirer』は、レッズの球団社長を務めるニック・クロール氏が「トレバーはたしかにここにいた。ただ、我々の選択肢ではない」と語ったことを伝えている。
当の本人は古巣復帰の可能性を消してはいなかった。自身のSNSでファンから「シンシナティに戻りたいか」と問われた際に「もちろんだ」と回答。さらに「シンシナティでプレーするのが大好きだったし、球団の職員やフロントともうまくやっていた。いいチームだし、本当に勝つチャンスはある」と惜しむなど、好意的なコメントを残していた。
しかし、レッズは今オフに元ソフトバンクのニック・マルティネスと2年総額2600万ドル(約39億円)の契約を締結。そうした戦力事情もあるのだろうが、自由契約となっているバウアーを必要とする素振りは見られない。『The Cincinnati Enquirer』も「かつては、お互いの利害関係があったかもしれないが、今のバウアーは当てはまらない。彼がメジャーで新たな拠点を見つけるにしてもレッズではない」とシビアな見解を記した。
去る11月23日には、ニュージャージー州に拠点を構えるニュースサイトの『NJ.com』のランディ・ミラー記者に「ヤンキースがバウアーと契約するなんてありえない」「騒動の前から、どこに行っても嫌われていた」と断じられてもいたバウアー。日本以上にコンプライアンスを重要視する米スポーツ界で、「問題児」というレッテルを貼られてしまった32歳の右腕にチャンスは訪れるのだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]