Amazon Web Services(AWS)が、2023年11月27日から12月1日にかけてラスベガスで開催されるイベント「AWS re:Invent 2023」の基調講演で、従来のAmazon Simple Storage Service(S3)と比較して最大10倍のパフォーマンスを発揮するストレージクラス「Amazon S3 Express One Zone」を発表しました。

Announcing the new Amazon S3 Express One Zone high performance storage class | AWS News Blog

https://aws.amazon.com/jp/blogs/aws/new-amazon-s3-express-one-zone-high-performance-storage-class/





AWS launches S3 Express One Zone, promises 10x write speed improvement | TechCrunch

https://techcrunch.com/2023/11/28/aws-launches-s3-express-one-zone-promises-10x-write-speed-improvement/

AWSによると、Amazon S3 Express One ZoneはAmazon S3よりも最大10倍優れたパフォーマンスを提供するように設計されており、1桁ミリ秒のレイテンシーを維持して1秒あたり数十万件のリクエストを処理できるとのこと。



オブジェクトの保存やレプリケーションは単一のアベイラビリティーゾーン内の専用ハードウェア上で行われるため、Amazon EC2・Amazon ECS・Amazon EKSのリソースを同じ場所に置くことでレイテンシーのさらなる短縮を図ることが可能です。

Amazon S3 Express One Zoneはコンピューティングとストレージ間のレイテンシーが非常に低いので、AIや機械学習のトレーニング、財務モデリング、リアルタイム広告掲載、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)など、処理に数百から数千の並列計算ノードを使用するようなデータ集約型アプリケーションのパフォーマンスが大幅に向上するとAWSは述べています。

また、料金は従来のAmazon S3と同様に従量課金製で、アメリカ東部リージョンで1GB当たり0.16ドル(約23.5円)となっており、S3 Standardストレージクラスよりもリクエストコストが50%低下しているとAWSはアピールしています。



なお、Amazon S3 Express One Zoneは記事作成時点でアメリカ東部(バージニア州北部)、アメリカ西部(オレゴン州)、アジア太平洋(東京)、およびヨーロッパ(ストックホルム)のリージョンで利用可能で、今後は他のリージョンにも拡大する予定となっています。