2023年女子ツアーは、最終戦のJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(宮崎・宮崎CC)で連覇を遂げた山下美夢有がメルセデス・ランキング1位となり、2年連続の年間女王に輝いた。


2年連続で年間女王に輝いた山下美夢有。photo by Getty Images

「前半戦は流れもよく4勝できて、いい流れでシーズンをスタートできた。(最終戦の)4試合ぐらい前からショットも安定して、リズムもよくなって、自信が持てるようになった。

 一年間ケガなく戦えたことで、今年もいい一年だったなと思う。今年は『(海外)メジャーで成績を出したい』という目標でしたが、そこはうまくいかなかったし、悔しい思いもした。来年は(海外)メジャーでいい成績を残せるように、しっかり準備して、優勝争いをしたい」

 今、やりたいことは――という問いにはこう言っておどけた。

「ご飯が好き。美味しいものを食べたいな」

 リコーカップでは初日、2日目と年間女王を争う申ジエとのラウンドのなか、スコアを伸ばしていった。そして、2位の森田遥に2打差をつけての首位で迎えた最終日、序盤でボギーを2つ叩くも、その後に4つのバーディーを奪って逃げきりに成功した。

「プレッシャーは去年よりすごくあったんですけど、2日間、ジエさんと回らせてもらって、自分らしいプレーが戻ってきたというか......。

(最終日は)前半のボギー2つでいいリズムではなかったんですけど、取り返したい気持ちが強くて、8番パー3でロングパットのバーディーを決めて、立て直すことができた。ティーショットがすごくいいリズムでスイングすることかできて、"この感覚かな"というのがつかむことができた」

 平均ストロークに加え、平均パット数、パーセーブ率、平均バーディー数なども1位。ドライビングディスタンスは53位と飛距離は出なくとも、このディスアドバンテージを"技"でしのいで、2年連続で女王の座をモノにした。

「(フェアウェーキープ率1位について)私のなかでは、結構曲がっているイメージがあったし、海外で戦った時とかはなかなかフェアウェーにいかないこともあった。(ティーショットの)精度を高めていくことはずっと取り組んできました」

 年間女王を最終戦まで争った申ジエは、来年開催されるパリ五輪への挑戦を口にした。その目標は、山下も同じだ。世界ランキングで畑岡奈紗に続く日本人2位につけている山下は、現在の立場を維持できれば自ずと出場権が手に入る。

「五輪はすごく出たい。五輪は特別で、記憶に残ると思うので、日本代表として出たい。パリのイメージ? めっちゃきれいな街......(笑)。来年も変わらず、引き続き頑張りたい」

 稲見萌寧をはじめ、国内ツアーのライバルが米ツアーへの挑戦を決めるなかで、山下は「まだそこまで考えていない」と話す。米ツアーでの勝利や海外メジャーで好結果を残すことを夢見るのと同様、国内ツアーの女王の座を守り続けることも困難な道のりであり、山下にとっては"挑戦"なのだろう。