立浪中日が動いた! 中島宏之、上林誠知を獲得した「狙い」 そして待たれる貧打解決の「切り札」との契約

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中島(右)を獲得した中日。攻撃陣の底上げを掲げるチームは、さらに中田(左)の獲得も囁かれている。(C)CoCoKARAnext

 再建中の中日が動いた。11月24日、今季限りで戦力外を通告された中島宏之(巨人)、上林誠知(ソフトバンク)、山本泰寛、板山祐太郎(いずれも阪神)の獲得を発表した。

 立浪和義監督の下で2年目となった23年の中日は、56勝82敗で球団史上初の2年連続最下位と低迷した。

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 不振の理由は様々にある。しかし、とりわけ叫ばれたのが、攻撃陣の火力不足だ。投手陣は高橋宏斗、柳裕也、小笠原慎之介ら実力派先発を中心に、チーム防御率リーグ2位(3.08)と盤石だった一方で、打線はチーム打率(.234)、得点数(390)ともにリーグワースト。野手陣の底上げが今オフの課題となっていた。

 そんな窮状にあって実力派のバッターを確保した形だ。中島は現在41歳とキャリアの晩年に入ってはいるが、通算1928安打を積み上げてきた技術に衰えは見られない。近年は一塁専任となっている影響もあり、代打としての起用が濃厚だが、今季の中日は代打成績が、打率.173、2本、22打点と不調。ここにテコ入れできる存在となれば、価値を見出せそうだ。

 また、ソフトバンクを戦力外となっていた上林は、主力級の活躍が期待される。

 2013年にドラフト4位で仙台育英から入団した28歳は、2017年にライトのレギュラーに定着。19年以降は故障の影響もあり不振に喘ぎ、節目の10年目となった今季は、前年5月に負っていた右アキレス腱断裂の影響もあって56試合に出場して打率.185、0本塁打と結果を残せなかった。それでも、いまだ老け込む年ではない。2018年に22本塁打、OPS.803を記録した長打力と、走塁、守備を卒なくこなすマルチ性を発揮できれば、間違いなく貴重な戦力となる。

 阪神から戦力外となった山本と板山(育成契約)はいずれも内外野の複数ポジションを守れるユーティリティ。堂上直倫が引退し、内野の穴埋めも必至と見られていただけに、上手くハマれば面白い戦力と言えよう。

 世間を賑わせた「令和の米騒動」などグラウンド外の話題が先行した今季からの捲土重来を目指すべく、積極補強を打ち出している立浪ドラゴンズ。すでに複数メディアで、巨人からの自由契約を決断した中田翔の獲得調査も進行中と報じられている。もしも、過去5度のシーズン100打点を記録したスラッガーを加えられれば、慢性的な得点力不足の解決はより進むはずである。

 果たして、立浪監督の3年契約最終年での逆襲なるか。中日はいつになく忙しないオフを迎えそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]