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お札やビニール袋を扱うときに指を舐めることを意味する「指ペロ」。これを禁止するステッカーを貼ったコンビニの取り組みがメディアに取り上げられた。

こうした店は世の中にたくさんあるようだが、「指ペロ」をした客の支払いを拒否することはできるのだろうか。

●店、病院、いたるところに「指舐め」現る

BSS山陰放送のネット記事(11月16日)は、あるコンビニが「指ペロ禁止」ステッカーをレジ前に貼っていると報じた。

この店は新型コロナをきっかけに2年前から始めたといい、感染対策の面からも「衛生的に指ペロをやめてほしい」と考えているそうだ。

SNSでも「指ペロ禁止」を張り出す店があったとする報告が多くみられる。コンビニやスーパーだけでなく、病院でもあったと指摘された。

こうした注意を呼びかけている店で、それでも「指ペロ」をした客がいた場合、退店を求めたり、舐めて触ったお金での支払いを拒否したりできるのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。

●指ペロ客の「買い物を拒否」できると考えられる

--「指ペロ禁止」を呼びかける店で、客が指を舐めて支払いをしようとした場合、店は客の支払いを拒否できるのでしょうか

客に対して、事前に「指ペロ禁止」を明らかにしていたのであれば、客の支払いを拒否できると考えます。

本来、お札、つまり日本銀行券には無制限の強制通用力があります。額面で表示された価値で決済の最終手段として認められる通貨の効力です。

キレイなお札であろうと、「指ペロ」した汚いお札であろうと、通貨としての価値は変わらず、債務の本旨に従った履行の提供となり、支払いにあてることは可能です。

しかし、差別的な取り扱いなどでない限り、入店を認めるかどうかや、その人と取り引きするかどうかは、店側の自由です(契約締結の自由)。衛生面を考慮して、「指ペロ禁止」にすることは合理性があり、有効と考えられます。

【取材協力弁護士】
冨本 和男(とみもと・かずお)弁護士
債務整理・離婚等の一般民事事件の他刑事事件(示談交渉、保釈請求、公判弁護)も多く扱っている。
事務所名:法律事務所あすか
事務所URL:http://www.aska-law.jp