値上げラッシュで、悲鳴をあげるESSE読者が急増。教育費や老後資金に備えるために、悩める読者の家計表をファイナンシャルプランナー・畠中雅子さんに診断してもらいました。

読者の家計チェック!「夫が再雇用で収入ダウン。貯蓄も減少…」

ファイナンシャルプランナー・畠中さんに収入減に悩む家計の改善ポイントを教えてもらいました。

【写真】家族3人暮らし・佐々木さん(仮名)の家計収支

・悩める読者さん:佐々木尚子さん(仮名)

長野県在住、58歳。夫61歳(会社員)、長男20歳の家族3人暮らし

「夫が60歳で定年を迎え、再雇用で収入が激減。戸建てからマンションに住み替え、引っ越しや家電の購入などで貯蓄も2000万円減りました。長男はこれから留学でその費用も…。このままで老後は大丈夫でしょうか」

●年金生活を想定して、年金額にあわせた予算で生活を

50歳以降は「ねんきん定期便」で年金額の予測がつきます。50代のうちにその額に合わせて家計を少しずつダウンサイジングしておくと年金生活へのシフトがスムーズ。今からでも年金額を調べて、収入に合った予算で生活を。

●今後かかる教育費を想定し、貯蓄のなし崩しを防いで

留学費用と帰国してからの学資を見積もり、貯蓄からとりおきましょう。また、帰国後は、こづかいやスマホ代などはバイト代から出させることも検討しましょう。無理をして貯蓄が底をつくと、結局は子どもに迷惑をかけることに。

●家電ノートをつくって、買い替え予算を決めて

貯蓄は多いのですが、転居でなし崩しに激減させたのが不安材料。今後の特別支出を書き出し、貯蓄は計画的な使い方を。家電の買い替えも、家電ノートに今の家電の購入年月日と値段を記録し、合計予算を決めて準備を。

●畠中さん診断「保険の見直し&支出の予算化」

60歳の定年後、再雇用で働いても収入は減少します。だからこそ、貯蓄を大きく取り崩した今の状況は危険! 退職金や貯蓄は大事な老後資金ですから、完全リタイアするまでできるだけ減らさないことが望まれます。

今後は、特別支出で貯蓄を必要以上に減らさないこと。子どもの留学費用も、子ども自身と話し合って毎月いくら必要か予算を決め、それ以上は増やさない心がけを。さらに今後の家電の買い替えも、それぞれ予算を見積もって合計予算を決めましょう。そのうえで、残りの貯蓄は、年金生活を想定して、必要な老後資金を見積もり、配分しておくといいでしょう。そうすることで、貯蓄の目減りにおびえなくてすみ、残ったお金を心おきなく使えるメリットもあります。

<老後にかかるお金の目安は?>

老後までに準備しておきたいお金の目安は、「年金ではまかなえない生活費」と家のリフォーム費用など「特別支出」の合計額です。