日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「もともと“うまくできない”男性だとわかって結婚したけれど…」と後悔を吐露するのは主婦の秀美さん(仮名・40代)です。思いが通じ合えていれば“いつかうまくいく”と信じて結婚。しかし結婚後に夫から打ち明けられたのは、自身が子どもを望まない考えであるというカミングアウトでした。

子どもを望むアラサー女性の婚活「焦りはあった…」

都内の保険会社で営業職として働く主婦の秀美さんが結婚したのは34歳のとき。なんと結婚を前提に10年間も同棲していた彼氏と破局、その直後に出会ったのが夫でした。

●傷心中に現れた運命の人

「本当は20代のうちに結婚したかったんです。自分は一人っ子だったので、子どもは2人以上はほしい。だから30歳になる前に妊活を始めたかったのですが、学生時代からつき合っていた彼氏の『結婚は考えているよ』という思わせぶりな態度に翻弄され、気がつけば34歳に。もう待てないと思って私から別れをきり出しました」と秀美さん。

35歳を過ぎると妊娠や出産時のリスクが高まることがメディアでも話題になっていた時期。秀美さん自身、34歳からスタートした婚活に少し焦りはあったといいます。

「同僚や友人が紹介してくれたりもしたのですが、いきなり“結婚”を前提にした交際は難しくて。結婚相談所に登録をしたんです。そこで最初に出会ったのが夫でした。お互い、バレーボール観戦が好きという趣味が一致し、話していてウマがあうなというのが第一印象でした」

年齢は秀美さんの1つ上。ファッションのセンスは地味ではあったけれど、キャンプに行ったり、全国のサウナを一緒に回ったりするなどアクティブなデートを計画してくれて、ギャップがあるところに惹かれていったそう。すぐにお互いの意思が固まり、交際から半年を経て入籍をしました。

●キスやハグはあるものの…

トントン拍子で進んでいった結婚ですが、秀美さんはひとつだけひっかかることがあったといいます。

「じつは、デートでラブホへ何度かいったのですが、行為自体が一度もうまくいかなかったんです。向こうが最後までできなくて…。ただ普段のデートのなかでキスやハグは普通にあったし、今はうまくできなくても、一緒に暮らせばなんとかなるだろうと思って、あまり深くは考えていませんでした。まさか結婚後に、こんなに悩まされるなんて、このときは想像もしてなくて…」と秀美さん。

●愛があればなんとかなると思っていたのに

しかし、秀美さんの予想とは裏腹に、結婚後も夫との行為はうまくいかないまま。しかもトライする機会は、どんどん減っていってしまったというのです。

「その気はあるのだろうと思ってこちらが誘っても『疲れているから』とはぐらかされることが続きました。年齢も35歳。今すぐ妊娠しても高齢出産です。私はかねてから子どもがほしいと話していたので、夫に妊活の話し合いを持ちかけました」

高齢出産の不安を募らせる妻に、夫がまさかのカミングアウト

「本当なら結婚したらすぐに妊活に取り掛かりたかった」という秀美さんですが、気がつけばなにもしないまま1年が過ぎてしまいました。我慢できずに夫に妊活の意思を確認したところ、意外な告白をされたのです。

「こんな夢も希望もない世の中に生まれてくるなんて、子どもがかわいそうだと思う。だから妊活しようと言われても、正直、積極的な気持ちになれないんだ」

●まるで詐欺に遭った気持ちでした

秀美さんは、最初にその考えを聞いたとき、「そんな風に考える人もいるんだ」とびっくりしたといいます。

「新しい発想というか、家族をつくることが幸せだと思っていたので、なにか言い返すとか、ケンカになるというより、初めは驚いてしまいました。子どもが欲しいと思う一方で、どこか彼の考え方もわかる気がしたんです。けれど、それなら結婚する前に言って欲しかった。まるで詐欺に遭った気持ちですよ。カミングアウトする機会なんていくらでもあったはず。私が35歳を過ぎて焦っているのを知りながら、いきなりこんな話をされても到底受け入れられません」

結婚1年目に発覚した、夫が子どもを望まない考えであるということ。子どもが欲しいと願う秀美さんが出した結論とは? そのお話はまた次回したいと思います。