リノベのプロがお気に入りの建材&設備は?建築家の小野裕美さんが選んだ5つ
リノベーションのプロが、自宅や自身の仕事で採用して「気に入った!」という設備や建材を紹介。教えてくれたのは、数多くの現場を経験している建築家の小野裕美さん。実際に現場で使ったときの話や、おすすめの理由を聞くと納得です。
電子レンジ機能も兼ねて、小さなキッチンにもぴったり
●リンナイ「ビルトインガスオーブン」
上の写真は、築50年超のマンションをリノベした小野さんの自宅キッチン。つり戸棚を撤去して、キッチンは既存のまま生かし、面材を交換。さらに左側に収納棚を造作して使いやすく生まれ変わりました。
設備面ではガスコンロを交換して念願だったリンナイのビルトインガスオーブンを設置。
「グラタンやチキン料理に挑戦できますし、火力が強いので焼き芋もすごくおいしくできます。電子レンジ機能も兼ねているので省スペースなのもメリットです」
コストを抑え、シンクやコンロの位置をカスタマイズ
●toolbox「オーダーキッチン天板」
「天板のサイズ、シンクやコンロの位置を自由にカスタマイズできるので、コストを抑えつつ、オリジナリティの高いキッチンが実現できる優れた商品だと思います」
ステンレス天板は10mm単位でオーダーでき、シンクは角丸とスクエアの2タイプから選べる点も魅力。写真は戸建てリノベしたお宅のキッチン。天板の下は造作で、食洗機と電子レンジを組み込んでいます。
フローリングに、もうひとひねり欲しいときに
●コルクタイル
「足触りがやさしくて冬でもひんやりしないし、見た目もナチュラルなのでほかの素材と合わせやすいところもいいですね。子ども部屋などにもいいと思います」
写真はマンションをリノベしたお宅の寝室。白をベースにした内装になじんでいます。
「私にとっては、フローリングやタイルもいいけど、もうひとひねり欲しい、というときの第三の床材、的なポジションかも(笑)。昔からある素材ですが、一周回ってまたそのよさが見直されつつあるのではないかと感じています」
ユニットシェルフの名作。長く使い続けられるのもいい
●Vitsoe「ユニバーサルシェルビングシステム」
1960年にインダストリアルデザイナーのディーター・ラムスが手掛けたユニットシェルフの名作で、Vitsoe(ヴィツゥ)というイギリスの家具メーカーが製造している商品。
写真はインテリアデザインを担当した新築マンションのリビング。
「施主さんの希望で設置しました。カスタム部材が豊富で、自由に組み合わせられます。お値段はそれなりにしますが、しっかりとしたつくりなので、長く使い続けられるのもいいですね」
何パターンも試し塗りができるのが安心
●オスモフローリング
1899年にドイツで誕生したオスモ社は、人にも環境にもやさしいフローリングや塗料のメーカー。
「無垢材の仕上げに使う塗料については色合わせが難しいのですが、ショールームで何パターンも試し塗りをさせてもらえるのでとても助かっています。フローリングも質が高く、自信を持ってご提案できます」
写真はマンションをリノベしたお宅の廊下。LDKまで同じ幅広のフローリングで仕上げているので統一感があり、広々と感じられます。
●小野裕美さん
設計事務所勤務を経て2015年にono design studio 設立。新築一戸建て、マンションのリノベーションなど、住まいの設計を得意とする。築50年超のマンションをリノベーションして自宅兼事務所として使用している