品質管理が行き届いているハウスメーカーの家でも、施工不良はゼロではありません。3年前に総2階の注文住宅を建てた日刊住まいライターは、住んで4か月後にキッチンの腰壁にわずかな施工不良を発見。6か月点検時に指摘して、無償で修繕という対応をしてもらいました。その流れと感じたことについて語ります。

引き渡し後にわずかな施工不良を発見

わが家は子ども2人(4歳と1歳)を含む4人家族。3年前に大手ハウスメーカーで総2階の家を建てました。

ハウスメーカーは、家の品質を重視して選びました。それでも、人に手による施工不良はあるもの。引き渡し後にわずかな施工不良が見つかりました。メーカーに伝えた結果、修繕工事を実施しました。具体的に一連の出来事を紹介します。

 

品質を重視したハウスメーカーでも施工不良は起こる

わが家がハウスメーカー選びの際に重視したことの1つが、「安定した品質」の家を建てられること。品質が安定していれば、施工不良は少なくなるはず。また引き渡し後のアフターケアが充実していれば安心だと考えました。

筆者自身、メーカー勤務で開発に携わっているので、機械であっても不良ゼロでつくることは困難だし、ヒューマンエラーが起こりえることも理解しています。

依頼先に決めた大手ハウスメーカーは、家全体の約8割を工場でつくり、残りを現場で施工しています。工場でつくられる割合が高いほど、人の手が加わる工程も少なく、製品管理もしっかりされており、ヒューマンエラーの数は少なくなると考えられます。

ただ、今回の事例で、そんな大手ハウスメーカーでも施工不良(ヒューマンエラー)は起こりえるのだと痛感しました。

キッチンの腰壁にわずかなすき間が!

わが家で施工不良が見られたのは、キッチンの腰壁部分。板材同士の間に数ミリのすき間ができてしまっていました。気づいたのは、住み始めてから4か月ほどたったタイミング。

なお、このすき間のある箇所は、シンクやIHヒーター部分からは離れており、キッチンでの作業中に水などがかかる可能性は低い箇所です。とはいえ、なんらかのはずみに、水がしみ込んでしまうかもしれません。それが心配でした。

 

定期点検時に申し入れ。修繕工事をすることに

筆者の依頼先のハウスメーカーでは入居から半年後に定期点検があり、わが家はそのタイミングで伝えました。メーカー側はすぐに施工不良を認め、後日修繕工事を実施することに。なお、施工不良だったので、わが家の負担はゼロでした。

工事そのものは2時間程度で、腰壁部分の板材をはがし、再度張りつけて完了。ただ、張りつけた板材の周囲にパテのような防水剤を敷き詰めており、これが乾燥しきるまで数時間待つ必要がありました。

こうしてキッチンの腰壁部分にあったすき間はなくなり、メーカーの対応に満足しています。

小さな施工不良でも悩まず、まずは伝えてみる

施工不良の指摘をしたのは妻でした。筆者は、数ミリ程度のすき間で、日常生活で大きな支障が出るわけではない箇所だったこともあり、メーカーにわざわざ言うのも面倒だと考えていたのです。

しかし、「大きな買い物だからこそ、完璧な状態の家に住みたいし、今後の生活でなにが起こるからはわからない。対応してもらえるなら対応してもらおう」と妻。

わが家の場合は、施工不良はわずか数ミリの板材のズレだけでした。ある意味、運がよかったのかもしれません。また、引き渡し直後でなくても施工不良を伝え、無償で対応してくれたことも満足しています。

とくに早い時期の定期点検時は、施工不良を伝えるいい機会です。施工不良をメーカーに伝えようか悩んでいるなら、素直に伝えた方がいいと思います。