「次元大介」を演じる二人、左より玉山鉄二さん、大塚明夫さん 撮影/大山雅夫

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ルパン三世の最高の相棒にして凄腕のガンマン・次元大介が主役のオリジナル映画『次元大介』が、現在Prime Videoにて世界独占配信中だ。
数年ぶりに日本へと帰還した次元は、長年連れ添った愛銃コンバット・マグナムの不調を治すため ”世界一のガンスミス(銃職人)” を探して、社会のはみ出し者たちが築きあげた裏社会へと足を踏み入れる。現在は時計屋を営むガンスミスは、マグナムを調整するにあたってある条件を次元に提示する――。

配信を記念して、本作で実写映画『ルパン三世』(2014)以来9年ぶりに次元大介を演じる玉山鉄二と、アニメシリーズで次元大介を演じる声優・大塚明夫とのスペシャルセッションが実現。次元を知り抜いた二人が語る、映画『次元大介』の魅力とは?

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――玉山さんは9年ぶりに次元大介を演じますが、オファーが来た際のお気持ちは?

玉山 元々はもっと早い(制作の)想定だったのですがコロナ禍で遅れまして……でもプロデューサーがこの企画を大事に温めていてくれて撮ることができたので、すごく感謝しています。僕は2014年に公開された次元が主役のOVA『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』がめちゃめちゃ好きで、ああいう絵作りができたら良いなと思いながら参加しました。

――お二人の次元大介観についてお聞かせください。まず、次元のどんなところがカッコいいと思われますか。

玉山 無駄がないところが好きです。「こういう男でありたい」と思った時、普通ならいろんな要素が付随してくるものがあると思うんですが、逆に次元はそれらを削ぎ落していったシンプルな存在で、そこに憧れますね。

大塚 そうですね。必然的にいつ命を落とすかわからない世界に生きていることで、不必要なものを削がれていって次元大介という存在が出来上がったということなんでしょうけれども、そこに少し「恥じらい」的なものなんかも感じられるところもあって……そこに人気の秘密があるんじゃないかと思いますね。

――玉山さんから見た大塚さんの演じる次元、また大塚さんから見た玉山さんの演じる次元のカッコよさはどんなところにあるでしょうか。

玉山 大先輩に対してそんな、おこがましいです(笑)。表現の形は違いますが大塚さんは僕なんかより長く次元大介と向き合っていますから。クランクイン前にお会いしてお話が訊けたら良かったなと思っています。

大塚 もうカッコよくて……嫉妬しますね(笑)。次元大介をよく知っているし、研究しているんだなと思います。玉山さんはその研究を経た上で削いで削いで削ぎまくった、ただ存在するだけの次元像を生み出した。すごいなと思います。

――今回の『次元大介』という作品は、これまでになくハードな世界観を貫いた物語が描かれていると思うのですが、その中にある次元の魅力をどのように捉えられましたか。

大塚 口が酸っぱくなるほど言いますけど(笑)、とにかくカッコいい! この世界観に立つ次元大介という存在の素敵さを、玉山鉄二という男の背中に見ることができましたね。

玉山 ガンアクションなんかも見どころの一つではあると思うんですが、僕はやっぱりオトっていう女の子と次元との人間関係――特に距離が徐々に近づいていくプロセスをぜひ観て頂きたいですね。
映画『レオン』じゃないですけれど「命を賭けて少女を守る」みたいな話は今っぽくないかもしれませんけれど、そこに詰まっているいろんなドラマや次元の気持ちがあるので、そういうところを楽しんでもらえると嬉しいですね。

大塚 次元が喋れないオトを気遣って(筆談用の)手帳に紐をつけてあげるあたりなんか、たまらないです。

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――お二人それぞれ表現の仕方は違いますが、次元を演じるにあたって意識していることがありましたらお教えください。

大塚 次元は基本カッコよくなくちゃいけなくて、決める時には見得を切らなきゃいけないところもあるんだけれど、ただひとつ「ルパンの前に出ちゃいけない」っていうのを僕の中の決めごとにして収録に臨んでいます。

玉山 僕は台本を読んで、そのシーンで最低限伝えないといけない部分と「削ぎ落しても大丈夫だ」と思う部分を頭の中に入れて、現場に入って監督に「このシーンはこういう部分を大事にしてもらいたい」みたいな提案を聞いてもらったりしています。今回、監督がすごく柔軟な姿勢で「何でも意見を言ってください」と言ってもらえたので、すごく感謝していますし、次元と向き合うにあたってすごくやりやすい現場でした。

大塚 僕らなんかは演じる時に「次元がどう映るか」なんて考えないわけです。「絵の方でどうにかしてくれるだろう」と想像しながら声を入れているわけですが、玉山さんは生身を晒して演じているわけで、お話を聞いていると自分の肉体をさらして演じる責任感というのはとても大きいのだと思いますね。

――次元と言えば「帽子と銃、そして目が隠れている」というイメージですが、本作では必ずしもそうではありませんね。

大塚 次元大介のアイコンですよね。これがない時に次元でいられるのか、という問題があるんですが、今回の話はコンバット・マグナムが使えなくて、目を隠さずに帽子を被っているのに玉山さんは見事に次元大介になっているからすごいですね!

玉山 外見の部分はともかくとして、次元に関しては能動的ではなく「やらされている感」を意識して行動するようにしています。立つにしても壁に寄りかかったり、人の話を聞くのもだるそうにしたり。「やった感」を出さないことが僕の次元感でしょうか。
特に今回はコンバット・マグナムの調子が戻っていく過程とオトの関係がリンクするような展開もあったり、普通のアニメシリーズは描かれない次元の姿が出てくるので、それはとても演じていて楽しかったです。

――では最後に、作品を楽しみに待つファンの皆さんへメッセージをお願い致します。

大塚 面白いから是非ご覧ください! きっと玉山鉄二ファンになります。

玉山 先入観を持ってエンタメに触れてもらうのはあまり好きではないので多くは語りませんが、各々が抱えている次元大介への想いやイメージがあると思いますので、この作品を観ることで昔を振り返ったり、他のルパンシリーズを観たりするようなきっかけになれば良いなと思います。

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