新米の季節、ふっくら炊き立てのご飯はだれもが大好きな一品ですよね。ただ、でんぷん質が多い白いご飯は、食べすぎると太る原因にも…。そんなときに注目したい健康食材が「米ぬか」。ぬか床やたけのこのアク抜きに使うのではなく、毎日のご飯やおかずと一緒に取り入れるというもの。医師・石原新菜さんの提案する「食べる米ぬか」のうれしい効果と食べ方をご紹介します。

ごはんやおかずと一緒に食べる「米ぬか」の魅力

今回は漢方医学、自然療法、食事療法の診療を行う、医師・石原新菜さんの『体が整う すごい やせレシピ』(主婦と生活社刊)より抜粋・再編集し、レシピと併せて解説します。

●米ぬかは糖質の代謝を助けるビタミンB1が豊富

米ぬかは玄米を精米したあとに残った「ぬか層」「胚芽」ですが、米の栄養が集中している部分でもあります。米ぬかに含まれる栄養素のなかでも、とくに重要なのが「ビタミンB1」。

ビタミンB1は糖質を燃やしてエネルギーに変えるために不可欠ですが、現代人は糖質過剰になりやすく、糖質摂取量に対してビタミンB1が不足しがち。さらに精神的ストレスがかかったときも、ビタミンB1は大量に消費されてしまいます。

ブドウ糖から十分にエネルギーをつくれなくなると、やせにくいばかりか、脳に栄養が届きにくいためイライラしたり、疲労物質が蓄積されて疲れやすくなったりと、心身にさまざまなトラブルが出る原因に。なんだか調子が悪いな〜太りやすいしイライラするし、更年期かな? と思う症状が、もしかしたらビタミンB1不足で起こっている可能性もあるのです。

●シミや乾燥、もの忘れ、生活習慣病の予防になる成分も

米ぬかの栄養、健康効果はそのほかにもたくさん。ビタミンB1以外にもこんなにあります。とくに更年期、50代以降の女性には気になる成分が満載です。

<米ぬかの栄養成分>

・ビタミンE 肌の乾燥やかゆみ、しみを防ぐ
・食物繊維 こぼうの約4倍、さつまいもの約10倍
・フェルラ酸 脳の血流低下を予防し、アルツハイマー型認知症の原因物質を減らす
・γ-オリザノール 中性脂肪、血中コレステロールを下げる
・フィチン酸 有害物質を排出

●食べ方はご飯やスープ、ヨーグルトなどにかけるだけ

米ぬかの見た目はおからやきなこに近いのですが、それよりクセがなく、おなかにたまる感じもないのでとても食べやすいのが特長です。1回大さじ2程度の量を、白ご飯やみそ汁、おかず、ヨーグルトなどにふりかけたり、混ぜたりするだけ。糖質代謝の効果を考えて、焼きそばなど粉ものの料理にふりかけるのも効果的。ビタミンB1は水溶性なので、ヨーグルト、ジュース、スープなどに加えてもOK。

●どうすれば手に入る?

米ぬかのとり方はとても簡単で、フライパンに生ぬか100gを入れて弱火で4〜5分ほど、均一に色づくまで炒るだけ。冷凍保存も可能です。

お米やさんが近くにあれば「米ぬかがほしい」と言えば分けてくれ、価格も、廃棄物なので50円、100円くらい。ネットなどで購入する場合は、生ぬかを選んでください。

また、つくるのが面倒な人は、市販の炒りぬかもあるのでそちらを利用しても大丈夫です。

●米ぬかミネストローネ

【材料(2人分)】

ニンジン(1cm角に切る) 1/4本
タマネギ(1cm角に切る) 1/2個
ジャガイモ(1cm角に切る) 1個
ベーコン(1cm角に切る) 2枚
オリーブ油 大さじ1
A[水煮トマト缶1/2缶(200g) 顆粒コンソメ小さじ2 はちみつ小さじ2 水1と1/4カップ]
炒りぬか 大さじ1
塩、コショウ 各適量
オリーブ油 大さじ1

【つくり方】

(1) 鍋にオリーブ油を熱し、ニンジン、タマネギを炒める。タマネギがしんなりしたらジャガイモ、ベーコンを加えてさっと炒める。

(2) (1)にAを加えて10分煮る。そこに、炒りぬかを加えて混ぜ、塩、コショウで味をととのえる。器に盛り好みで炒りぬか(分量外)をふる。

白ご飯のおいしさはそのままに、玄米の栄養価のいいとこどりができる「食べる米ぬか」。最近は無印良品でも米ぬかコスメが登場するなど、美容面でも日本のスーパーフードは注目の的です。日本人の体質に合う米ぬかを毎日の食生活に取り入れてみませんか?