外環道の大泉IC〜和光北IC間を走っていると、追越車線側の路肩が妙に狭く、白い壁が間近にまで迫っていることがわかります。トンネル部ではかなりスペースをとり、延々と続いている“壁”、これは何なのでしょうか。

ジャマな白い壁

 外環道の大泉IC〜和光北IC間を走っていると、追越車線側の路肩が妙に狭く、白い壁がすぐ近くまで迫っていることがわかります。トンネル部ではかなりスペースをとり、延々と続いている“壁”、これは何なのでしょうか。


外環道外回り和光IC付近。右側に白い壁がある(ドライブレコーダー)。

 その壁は、外回り(北行)ならば大泉ICの料金所に差し掛かってすぐのところから続いています。外回りは和光北ICまで片側3車線ですが、右車線側の路肩が明らかに狭く、トンネル部では断面に対して右側部分が塞がれていることがわかります。内回りも同様です。

 和光北ICに近づくと、この壁は下側を持ち上げるようにだんだんと高くなっていき、トンネルの上をまたいでいます。和光北ICに併設する新倉PAのランプでは、連続する門型の支柱の上に先ほどの壁が、ここでは高架橋にように続き、PAをすぎると、ランプと本線の間を抜けて一気に“下がって“いきます。

 和光北IC直下の松ノ木島交差点では、外環道の高架下に、もうひとつ白い壁で覆われた高架橋があるような形で、そのまま荒川のほうへと続いていきます。この白い壁の構造物、一体何なのでしょうか。

実は6kmも続いている!

 結論から言うと、これは「ベルトコンベア」です。白い壁は、その防音パネルになっています。現在、外環道は大泉JCT以南、東名高速までの区間がトンネル構造で建設されていますが、その掘削した土砂を運ぶ装置です。

 新倉PAには、このベルトコンベアの説明板があります。それによると、トンネル工事により1日で発生する土砂は最大で1万立方メートルあり、それを大泉JCTのヤードから6km離れた荒川沿いの仮置き場まで運んでいるのだそう。ベルトコンベアを使うことで、「10tダンプトラック約2000台が大泉JCT〜和光北IC間を走行せずに土砂を運搬することができる」そうです。


和光北IC下の松ノ木島交差点。高架下にベルトコンベアが設けられている(乗りものニュース編集部撮影)。

 土砂の仮置き場は、荒川沿いの下水処理施設の敷地内にあり、そこがベルトコンベアの終点です。下水処理施設の上部(地上)空間は、和光市アーバンアクア公園として2019年に再整備されましたが、その川側の隣接地が仮置き場。航空写真で見ると、300m×181mの敷地に10のテントが設けられており、そのなかに土砂が置かれています。

 外環道のトンネル工事は2020年に調布市で発生した陥没事故を受けて一時中断していましたが、大泉からのシールドマシンは掘進を再開しています。ベルトコンベアのある状態はまだまだ続きそうです。