京成に乗れば千葉へ行けると思ったら、全然知らない田園地帯に行ってしまった……そんな体験を描いた漫画がSNSで話題になっています。

JR総武線のライバル路線かと思いきや!?

 京成に乗れば千葉へ行けると思ったら、全然知らない田園地帯に行ってしまった……そんな体験を描いた漫画がSNSで話題になっています。


京成線などで使われている3000形電車(画像:京成電鉄)。

 作者は羽鳥写真館@hatolier_cameraさん。「京成の初見殺し『千葉に行かない』が初見殺しすぎる話」と題したものです。

 路線網をよく知らない人にとっては、京成はJR総武線と同じく、千葉県の中心地・千葉駅方面へ向かうと思ってしまいがちです。総武線と同じ感覚で、東京から千葉市街へ行こうと京成に乗り、そのまま乗り続けた結果…千葉駅とは全然違う方向に走っていく電車に気づくこととなります。

 じつは京成本線、同じ成田空港方面へ行くとはいえ、JR総武線とは異なり、千葉駅には行きません。途中の津田沼で進路を北東へ変え、勝田台を経由して成田へ最短距離で向かいます。車窓は住宅地から徐々に田園風景になっていき、自分がどこに向かっているのか、だんだんと不安になってしまいます。

 京成は、津田沼駅から「京成千葉線」という支線が分岐し、そちらが千葉駅へ向かいます。一部列車をのぞき、基本は京成津田沼〜ちはら台の千原線直通、もしくは松戸〜京成津田沼〜千葉中央の新京成線直通電車が運行されており、京成本線とは独立した運行形態となっています。千葉中央までは各駅停車のみで1時間あたり6本、そこから先は1時間に3本しか走っていません。大ターミナル・千葉駅に行くルートが明らかに「ローカル線」の様相となっています。

 京成の直通先である京浜急行は、東京〜横浜の二大都市間の輸送で、JRと熾烈な乗客獲得争いを繰り広げています。そのイメージで「京成も千葉行きのライバル」と考えると、実際は全然違うというわけです。

 そもそも「京成」という社名は「東京+成田」で生まれたもの。京成は、最初から成田をまっすぐ目指して建設されたのです。成田山新勝寺は平安時代から由緒のある寺院で、歴史的に連綿と参詣の対象となってきました。それは明治でも同じで、関東地方の人々が成田を目指しました。そこへ鉄道アクセスを通すのは、人々にとって悲願でもあったのです。1910年代から始まった建設事業は、1930(昭和5)年にようやく成田到達を果たしました。

 コメントでは「え?行かないの?」という驚きの声と、「京成は成田行きだから…」という声に分かれていました。そもそも「千葉県民は千葉駅周辺に行く用事がない」という声もあるほか、「千葉に行くならJR総武線が圧倒的に強いから、京成を使うという選択肢は無いかな」という声も見られました。