2023年8月31日にX(旧Twitter)がプライバシーポリシーを一部改定し、公開されたデータを機械学習または人工知能(AI)モデルのトレーニングに使用することがあると明記しました。当該箇所について、イーロン・マスク氏は「公開データのみが対象です」と強調しています。

X's privacy policy confirms it will use public data to train AI models | TechCrunch

https://techcrunch.com/2023/09/01/xs-privacy-policy-confirms-it-will-use-public-data-to-train-ai-models/

Xは8月31日にポリシーを改定し、9月29日より発行すると告知しています。このうち「当社のサービスの運営、改善およびパーソナライズ」というセクションにて、Xは「本ポリシーで概説されている目的のため、当社が収集した情報や一般公開された情報を、機械学習または人工知能モデルのトレーニングに使用することがあります」と明記しています。



同ポリシーでXが定めている「収集する情報」には、表示名、パスワード、メールアドレスまたは電話番号、生年月日に加え、ユーザーのポストや、ユーザーのライブ動画活動(スペースなど)に関する情報、リポスト、いいね、ブックマーク、ダイレクトメッセージを利用する場合のメッセージの内容、受信者の情報、それからIPアドレスおよびその関連情報、所在地、携帯電話会社、ブラウザの種類および言語、OSなどが含まれています。

このほか、Xはユーザーの学歴や職歴、生体情報も収集すると定めています。

Xがユーザーの学歴・職歴と生体情報の収集開始を予告 - GIGAZINE



情報の利用目的については、「Xのプロダクトおよびサービスを提供し、運営するため」「より関連性のあるコンテンツおよび広告をユーザーに表示したり、フォローすべき人およびトピックを提案したり、ユーザーが関連会社、第三者アプリ、サービスを発見する手助けをすることを可能にしたりするため」などの文言で定義されています。

上記について、具体的にどの情報が何に使われるかといった記載はありません。機械学習やAIのトレーニングに使用するという情報が何なのかも明記されていませんが、マスク氏は「XのデータをAIモデルのトレーニングに使用することに関する記述が追加されている」との報道に対し、「公開データのみが対象で、DMや非公開のものは含まれません」とXにポストする形で指摘しました。





マスク氏はAIスタートアップのxAIを立ち上げており、2023年7月には「Twitterの公開ツイートを使ってAIモデルをトレーニングする」と明言していました。このことから、今回のポリシー変更はマスク氏がかねてから準備していた計画の一部であり、それほど飛躍した話ではないことが分かります。

ただし、こうした変更をユーザーが受け入れるかどうかは別問題で、一部のユーザーからは反発の声も上がっています。





なお、「投稿をAIの学習に用いる」という行為はXだけではなくFacebookやInstagram、Googleなども行っており、特にMetaは「AIシステムでより早くコンテンツをユーザーに見せることができるほか、問題のあるコンテンツや低品質のコンテンツの配信を削減するのにも役立ちます」と案内し、AIを使用することへの理解を求めています。