2023年9月の発表が期待されるAppleの「iPhone 15」シリーズでは、EUが新たに定めた「所定の電子機器のコネクタはすべてUSB Type-C(USB-C)とする」との規則に合わせ、Apple独自の規格「Lightning」から脱却して初めてUSB-Cを搭載したモデルが並ぶのではないかと目されています。そんな中、「クリエイター」と称するXユーザーのMajin Bu(@MajinBuOfficial)氏から、iPhone 15用に作られたというUSB-Cケーブルの情報がリークされました。

USB-C cable included with iPhone 15 may be limited to USB 2.0

https://9to5mac.com/2023/08/23/usb-c-cable-iphone-15-2-0-speeds/

Majin Bu氏が手にしたUSB-Cケーブルの長さは1.6メートルで、フルならば24ピンあるところ16ピンしかなく、USB 2.0対応で出力は20V・3Aだとのこと。





ちなみに、記事作成時点で最も新しい「iPad Air(第5世代)」はUSB 3.1 Gen 2対応、よりスペックの劣る「10.9インチiPad(第10世代)」はUSB 2.0対応となっており、転送速度は前者が最大10Gb/s、後者が最大480Mb/sです。Android端末ではUSB 3.0以上、一部ノートPCやマザーボードではUSB 4も搭載される時代に、今回リークされたケーブルの選択はかなり時代遅れといえます。既存のLightningもUSB2.0相当の480Mb/sであることから、仮に当該ケーブルがiPhone 15用であることが確かな場合、Appleは有線によるデータ転送をさほど重視していないのではという考えも浮かびます。

過去にはAppleが自社のUSB-Cアクセサリに独自の認証規格「MFi(Made for iPhone)」を導入し、Appleの認定を受けていないアクセサリを介した充電やデータ転送を制限することを検討しているとの報道もありましたが、少なくともMajin Bu氏が手にしたUSB-CケーブルはMFiとは無関係なようです。

AppleがiPhone 15のUSB-CポートでMFi非認証アクセサリが使えないようにする可能性 - GIGAZINE



上記の情報に加え、Majin Bu氏はiPhone 15 Pro用だというUSB-Cケーブルの情報も発信しています。こちらはUSB 4.0 Gen2(最大20Gb/s)で、出力は50V・3Aとなっています。





なお、以前別の人物がiPhone 15のUSB-Cコネクタを示す画像を公開した際には、Thunderboltデバイスに見られる「Retimer」チップが搭載されていることが指摘されており、iPhone 15シリーズのいずれかはThunderboltに対応するのではないかと目されています。

Appleにまつわるニュースを配信する9to5macは「iPad ProのみがThunderboltをサポートしているように、iPhone 15 ProのみがThunderboltをサポートする、あるいはiPhone 15のモデルはすべてThunderboltに対応し、Thunderboltケーブルは別売りとなる可能性が考えられます」と推測。今回のリークについても、考えられるもうひとつの可能性として「iPhone用ではなく、USB-Cポートを備えたMagic MouseとMagic Keyboard用に作られたものではないでしょうか。それならばUSB 3.0やThunderboltに対応していないのも納得です」と指摘しました。