松川るい、過去に海外出張の経費精算の面倒さに苦言「一件一件書類をそろえて、非常に無駄」2000円の自腹に怒り
元プレジデント編集長の小倉健一氏は「話題のパリ出張で、松川るい議員はKY(空気が読めない)政治家のレッテルを貼られ、もはや再起不能となった」と指摘するーー。
松川るい大炎上!だが、その批判への批判も始まっている
松川るい参議院議員が、自身のパリ研修を巡って、大炎上を起こしている。研修とは言いながら、出発(7月24日)から帰国(28日)まで3泊5日の日程の間、純粋な研修に当てられたのは6時間だったという。リュクサンブール宮殿、エッフェル塔での観光、セーヌ川でのディナークルーズ、シャンゼリゼ通りでの自由行動を楽しんでいたようだ。
あまりの炎上っぷりに、「問題はそこじゃない!」「薄い」「表面的すぎる」という炎上への批判も強まっている。
たしかに、公務が1分足らずであっても、成果があるなら、あとはどんちゃん騒ぎして帰ってきても、私は問題ないと感じる。民間企業がフランス企業と大きな契約をしたあとで、パリで飲むワインは最高の味であろう。
これまでの国会での発言は、増税を容認するようなものばかりだった
この視察の一点をとって、揚げ足をとっても無意味だと思う。大事なことは、この松川るい議員が、どういう政治姿勢をもって政治活動を行い、そして、フランスのパリ視察大炎上へ至ったかが問われているのだ。この大炎上を表面的と指摘するのはいいが、その指摘も表面的になってしまっては意味がないだろう。保守系の政治家が何かで炎上したら、「普通の発想」「問題ない」「本質ではない」などととりあえず言っておく批評こそ、表面的ではないのだろうか。
今回、松川るい氏の議員初当選から今日に至るまでの、国会での発言をすべて読んでみた。松川氏の8年目になる国会活動で、発言は297回(会議数は50件)あった。典型的な自民党の政治家であろう。自分の担当する外交分野において、あれが足りない、これが足りないと指摘をして、増税に賛成するという立場をずっと堅持していた。
経費精算の書類作業が面倒だと文句を言う松川るい。民間企業では至極普通なのだが…
特に今回の件と関係する発言があったので、それを例にとってみたい。令和4年11月10日の外交防衛委員会だ。
「私がまずお伺いしたいのは海外出張費、これ特に外務省員は、全国家公務員もちろん出張あるわけですけど、その職務の性質上、外務省職員、非常に、海外出張というのを日常的にやっていることであると思いますが、この海外出張費を職員が自腹で払った上、補填が直ちになされないという現状がある」「一か月とか二週間とか出張行くわけですけど、大臣が一緒の期間なんて一日とか二日ですから。そうすると、そこで自腹を切っている」
自腹を切るというのは、たしかに、おかしなことだが、それはいったいどういうことなのか。松川氏は続けてこう主張する。
「一件一件行った出張は、三万円足が出ちゃった、そうすると、その一件一件をですね、わざわざ書類をそろえて、財務省と外務省のその会計担当者が時間を使って協議をして支給すると。非常に事務的にも無駄ですし、また、そのような金額、例えば十万円足が出たらそれでもうさすがにお願いしますっていうふうに言うと思いますけど、もしも五千円や二万円だったら諦めちゃうかもしれないです。諦めてしまったものは会計課の耳にさえ届かないんです。私は、出張というのは仕事でありまして、仕事に行って三千円だろうが二千円だろうが足が出ること自体がそもそもおかしいと思います。何で仕事に行ってマイナスのペナルティー食らわないといけないんですか」
なんのことはない、制度上、支払う仕組みはあるものの、手続きが面倒だということだ。民間企業にいる人間の感覚からして、経費精算というものは、「一件一件をですね、わざわざ書類をそろえて」請求するものである。数百円でも数十円も同じことだ。それが面倒であれば、民間企業であっても、自腹を切るしかない。当然、経理部の耳にも届かないものだが、松川氏は、自身のかつて所属していた外務省において、そのような手続きをすっとばして、お金が支給される仕組みをつくりたいということのようだ。
ペーペーの外交官を超一流ホテルに泊まらせたいようだが、財源は国民の血税なのだが…
この松川氏の指摘に対し、政府参考人は「職員が自己負担を余儀なくされたり、やむを得ず利便性の低い宿舎を利用せざるを得ない事例も生じている」としているが、民間企業でも同じようなものだろう。職位が低いのであれば、多少利便性が低くても安い宿をとるのは常識的な判断だろう。ペーペーの外交官を超一流のホテルに泊めさせる理由などない。
他にも、在外公館の修繕、新築、外観を直せと主張していたり、自衛隊の官舎をきれいにしろなどと主張をしていたり、と政府に支出を求めるケースが多い。その一つ、一つはきっと必要なものなのかもしれないが、だったらあわせて議論をしなくてはいけないのは「この改善を行うとどういう効果をもたらす」「代わりにどこの予算を削れ」のはずである。この議論の欠如こそが、まさしく自民党政治の病巣であろう。
こんな議論をしている限り、「対策しておしまい」「財源は増税」という結論以外、出せようはずがない。
国民負担増は経済成長を阻害し、家計に打撃を与えることが明確にわかっている。そして、効果のない対策をいくら繰り返しても解決にはならない。在外公館や自衛隊の建物を新築にすると、国民にとってどうメリットがあるかを、きちんと示し、財源も見つけてくるべきだろう。
公務員、政治家が、あれも足りない、これも足りないと言って、そのすべてを実行していたら、税金などいくらあっても足りないのである。まずは、外務省予算の中から、不要な財源を見つけ出す努力もすべきだし、それをしないというのは、ただのええかっこしいということだ。
フランスの少子化対策は移民政策でしかないし、そんなことは日本にいてもわかるはずだ
今回のフランス視察の問題は、「何の成果もあげていないのではないか」と、国民の大半が疑っていて、その疑問に松川氏が答えていないところにある。ブッシュ大統領(当時)の前で、小泉純一郎首相(当時)は、おどけてエルビスプレスリーのものまねをしておどけたが、それが大して問題にならなかったのは、日米首脳の良好な関係が、日本の安全保障にとってとても大事であることを、国民がわかっていたからだ。
フランスの少子化対策といっても、移民政策でしかないし、そんなこと、日本にいてわからなかったのかと、誰もが思うところだ。炎上を終わらせたいと思うなら、どう役に立ったかをメディアの前できちんと説明すべきだし、松川議員は炎上したからというもの一切表にでてこなくなってしまった。
弁護士もため息…「松川るいはKY政治家のレッテルを貼られ、もはや再起不能となった」
多くの中小企業顧問に就任し企業統治問題に詳しい城南中央法律事務所(東京都大田区)所長の野澤隆弁護士は、次のとおり解説する。
「(倒産の危機に常にさらされている)一般企業の場合、(利益を下手に残して税金などで持っていかれるぐらいなら)がんばった役員・従業員に対するご褒美として視察研修という名の企画旅行が事実上開催されても、世間から批判されることはあまりなく、特に海外ものの場合、若手社員の意欲向上などにつながることも多く、外部株主による点検もない中小企業の場合、経理担当者が唯一恐れているのは税務署の経費(損金)算入チェックであるのが実情です。経済的低迷が30年以上続いている日本の場合、政治家に対する論評は辛口がベースで、今回、『(直接ではなかったかもしれないが)お金の出どころは血税』、『(意外に先かもしれないが)解散総選挙が近づいている』、『(倒産はさすがにないだろうと思われ叩きやすい)政府・自民党の不祥事』、『(コロナ禍が終わりつつあるとはいえ円安で行きづらくなった)海外、しかもヨーロッパの高級都市』とフォーカード揃った感があり、人気商売であるにもかかわらず『空気が読めない(KY)』政治家のレッテルが貼られ再起困難な状況に陥ってしまいました」
政治家たちのくりだす壮大なムダ使いをみているうちに、私たち国民は、彼らの財布やATMなのだろうかと、大きな怒りを覚えてしまう。
