安斉かれん 撮影/たむらとも

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2023年8月4日に自身初の写真集『in all (ラブ)』(小学館)を発売したアーティストの安斉かれん。湘南の音楽好き少女だった安斉は、2019年にデビューし、翌年『M 愛すべき人がいて』でドラマ初主演を遂げるなど話題をふりまいてきた。写真集の思い出や、音楽へのこだわりをあらためて聞いた。(前後編の前編)※写真集タイトルの(ラブ)部分、正式名称はハートマーク

【写真】ピンクコーデがキュートな安斉かれん 撮り下ろし写真【5点】

──今日のファッションは髪色も衣装も、ピンク系で統一したコーデですね。



安斉 ピンクが一番好きな色なので、リボンもピンクにして髪もオレンジピンクに染めたんです!

──右腕にかわいくハート形のタトゥーもしていますが?



安斉 はい、「in all (ラブ)」って、写真集のタイトルをそのままを彫っちゃいました。「すべての愛の中で」っていう意味が込められていて、お仕事もプライベートもこの写真集も、すごいたくさんの方々の愛の包まれている、そういう思いをつけさせていただきました。

──写真集は故郷の藤沢と、沖縄での撮影でした。



安斉 藤沢は生まれ育った町なので、子どもの頃遊んだ公園でフラフープをしてみたりとか、懐かしい場所で撮った写真が満載ですね! 裏表紙の写真を撮った場所も、小さい頃によく遊んだ公園で、そこで愛用のアルトサックスと一緒に撮りました。

写真集も初めてですから、まだファンの皆さんに見せていないような、新しい自分もどうやって見せていこうかな、というのを考えて、いろいろ自由にやらせてもらいました。

──藤沢・湘南にはすごく思い入れがあるようですね。あえて今の安斉かれんという人格に占める、藤沢での人生経験を割合にするとどれくらいでしょうか?



安斉 うーん、70%くらいかなと思います。友達の影響ってすごく大きくて、中学や高校での人間関係は今も続いて、集まったりもするんですよ。だから写真集もいっぱい宣伝しちゃいました(笑)。

皆優しくて学校にも恵まれてたというか、いじめとかも全くなくて。東京でできた友達には『かれんの学校ってすごく仲いいよね』って驚かれるくらいでした。これだけ友人や家族に恵まれた藤沢での日々って、愛だらけですごく幸運なことだったんだなって思います。後悔とかがほとんどないんですね。

──特にお気に入りの場所はありますか?



安斉 よく遊びに行っていて写真集でもお世話になった江ノ島、それに、今回撮らせてもらったログハウスがあります。ここを管理している地元のおばさん達が、まだ私のことを覚えてくれていて。そういう体験もできるので、お仕事で地元に帰れるっていうのは感慨深いですね。東京とそんなに離れている訳でもないのに、時間がゆっくり流れてている感覚があって、安心感があります。

──そして、沖縄の海でも自由にロケができました。



安斉 実は、沖縄の海に行ったのも初めてだったんですよ! 海が好きなのに、沖縄にはちょっとお酒やグルメを楽しむ、くらいの滞在経験しかなかったので、沖縄らしい沖縄を満喫できたのはこのロケが初めてでした。だから髪色やアクセサリーにも凝って撮りましたし、知らなかった沖縄の良さを体感できました。

──藤沢と沖縄、ふたつの土地での『安斉かれん』を写真で表現してきたわけですが、それぞれの場所で、どんな面を見せようと思いましたか?



安斉 藤沢では等身大の私というか、いつもの日常をすごす感覚でカメラの前にいたと思います。だから、素顔の安斉かれんってこんな感じなんだなって感じてもらえれば。沖縄ではもっとはじけることができましたね。イチ押しはプールで泳ぐカットですが、実は3月の撮影ですごく寒かったんです(笑)。でも景色はすごくキレイだし、人も少なくって自由に撮れて、寒かったけど沖縄感をすごく出せた写真になっています。

──タイトルの『in all (ラブ)』にちなんで、安斉さんが考える、愛のあり方についてもお聞きします。



安斉 これはもう、人の数だけ正解があるんじゃないでしょうか。何が好きとか、どんな人が好きとか、時間によっても変わってくるし、相手の受け取り方も変わってきますよね。ちょっと歪んでしまうこともあるかもしれませんが、どんな形でも、好きや愛の感情って肯定してしまえるものなのかもしれません。

私、アンパンマンのキャラクターの中でもドキンちゃんが大好きで、中学生の頃もアクセサリーをリュックにつけたりとかしていて。 「ドキンちゃんになりたい」みたいなこともずっと思ってました。彼女は可愛いのはもちろんなんですけど、しょくぱんまんに片思いしていて、でも細菌とパンだから、結ばれない関係なんですよね。結ばれないんだけれど、しょくぱんまんに向けてはいつも健気なところが女子力高くって、そういう内面に共感していたのかも。それも愛の形なのかもしれませんね。

──地元への愛も、安斉さんを形作る大切な要素のひとつのようですね。



安斉 今でもあの中学でよかったな…って、育った環境には感謝しています。それと、私のファンもなんだか地元の友達と似たところがあるな、と感じていて、すごく優しいんです。私のいないところでも集まってパーティーしていたりとか、(ファン同士が)幼馴染の親友みたいじゃんって思います。そういった、たくさんの愛のおかげでお仕事を楽しめていることを、地元に帰っての写真集作りで改めて実感しています。

【後編はこちら】「音楽以外は何も長続きしなかった」安斉かれん、目標をつくらないナチュラルな創作意欲

▽安斉かれん 
1999年8月15日生まれ、2019年5月1日にavexよりアーティストデビュー。2020年『M 愛すべき人がいて』でドラマ初主演。5thシングル『僕らは強くなれる。』(2020)はGoogleトレンド急上昇ワードで1位を1ヶ月の間に2度獲得。
2023年3月29日に『ANTI HEROINE』『僕らはきっと偽りだらけの世界で強くなる。』のファーストアルバム2枚を同時リリースする。8月4日にファースト写真集『in all (ラブ)』を発売。