えっ…? 「ロードスターフェラーリ」誕生!? マツダ車に見えない「謎のクルマ」  美しい「イタリアクラシック」とは

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もはや原型をとどめていない?NAベースの「イタリア クラシック」とは

 マツダロードスター」は、世界で最も多く販売されたスポーツカーのひとつです。
 
 そんなロードスターをベースに、クラシック・フェラーリのように仕上げた個体がイギリスの中古車市場に登場し、注目を集めています。

マツダロードスター」に見えない…「イタリアクラシック」とは(Photo:eBay Inc.)

 世界で最も多く販売されたスポーツカーのひとつであるロードスターは、2016年には累計生産台数が100万台を突破するなど、現在も順調に記録を伸ばし続けています。

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 歴代ロードスターのなかでも最高の販売台数を記録したのは、初代にあたるNA型です。
 
 1989年に登場したNA型は、コンパクトなボディと愛らしいルックス、「人馬一体」の走り、必要十分な機能性、そして手頃な価格などから多くの人気を集め、発売と同時に大ヒットモデルとなります。

 また、NA型は、ライトウェイトスポーツカーの本場であるイギリスをはじめ、ヨーロッパやアメリカなどでも高く評価されました。

 現在でも多くの個体が国内外の中古車市場で流通しており、はじめてのスポーツカーにも最適な1台とされています。

 そんなNA型のロードスターですが、このほど一風変わった個体がイギリスの中古車販売店に登場し、話題を集めています。

 この個体の外観は1960年代のフェラーリ「275GTB」のオープントップ版である「NART スパイダー」をほうふつとさせるものであり、一見するととてもロードスターのようには見えません。

 NART スパイダーはわずか9台しか生産されておらず、過去には2750万ドル(約39億円)という値段で落札されたこともある超希少車。

 今回発見されたロードスターはNARTスパイダーにインスピーレーションを受けて製造された1台であるようです。

フェラーリみたいなロードスターとはどんなモデルなの? 正体は?

 このロードスターに装着されているのは、アメリカのカーデザイナーであるジム・シンプソン氏の「シンプソン・デザイン」によって設計されたボディキットです。

 かつてはマツダと協力関係にあったというシンプソン氏は、NA型をベースとしたコンプリートカー「イタリア クラシック」をこれまでに90台以上制作してきたといい、今回発見された個体はそのうちのひとつのようです。

 この個体を販売する中古車販売店によれば、2019年におよそ5000ポンド(約91万円)をかけてボディキットを取り寄せ、内外装から機関系にいたるまで、時間を掛けて作り上げてきたといいます。

 外装は非常にコンディションがよく、ホイールやマフラー、灯火類なども良い状態が保たれています。

 エンジンやトランスミッションは交換されているほか、「ジャクソン・レーシング」製のスーパーチャージャーによって、最高出力は170bhp(約172馬力)へと高められています。

幌を見るとマツダロードスター」の面影がある?(Photo:eBay Inc.)

 また、ステンレス製のエキゾーストパイプによって、よりクラシカルかつレーシーな雰囲気を強めている点もポイントです。

 オーナーのこだわりが感じられるこのロードスターは6500ポンド(約120万円)の値がつけられていましたが、2023年7月31日現在はすでに販売を終了しているようです。

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 イタリア クラシックは、過去に日本の中古車市場にも登場したことがあるようです。

 また、ジム・シンプソン氏は、イタリア以外にもロードスターをベースとしたさまざまなコンプリートカーを製作しています。

 それらはアストン・マーティン「ザガート」やフェラーリ「250SWB」、ロータス「XI」などといった歴代の名車をモチーフとしており、いずれもロードスターがベースとなっているとは思えないほどのクオリティに仕上げられています。