「あの時、文鮮明を訴えていれば…」統一教会と闘う山口広弁護士が悔悟の念、銃撃1年で声明
安倍晋三元首相が銃殺された事件から1年を迎えるのを前に、全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)が7月7日、声明を出した。
殺人罪等で起訴された被告人が、動機として世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関連を供述したことで、多額の献金被害が明らかになる事態となった。
30年以上、弁連の筆頭として被害と向き合ってきた山口広弁護士は「2005年ごろに(教祖の)文鮮明を訴えるべきでは?と真剣に議論したことがあった。あの時、訴えていれば事件は起きなかったかもしれない。個人的に責任を感じています」と悔しい思いを明かした。
●「被害救済はまだ一歩、いまだ賠償なされず」
この日の会見には、山口氏のほか弁連の3人の弁護士が出席。木村壮弁護士は「(統一教会問題は)まだまだ終わっていないということを理解してほしい。集団交渉中の被害者には、何らの賠償もされていません。教会側の対応は真摯な態度とは到底言えない」と強調した。
声明は「被害抑止・被害者救済という見地からは、まだ取り組みの第一歩に過ぎず、多くの問題は解決されずに残されたままである」とした上で、各関係機関に5点の要望をしている。
1、統一教会は信者に責任を押し付けず、過去の被害に誠実に対応し謝罪の上で、損害の一切を賠償するよう求める
2、各政党や国会、地方自治体の各議会は第三者委員会等の機関を立ち上げ、議員と統一教会の関係について調査し、メディアへの公表するよう求める
3、文化庁は速やかに、旧統一教会の解散命令請求の準備を整え、裁判所へ申し立てるよう求める。解散命令請求がされた場合、財産を管理し保全することを可能とする特別措置法を成立させるよう政府等に求める。
4、政府・国会は被害者・家族の生の声を聞く検討会等を設け、被害実態に即した不当寄附勧誘防止法の見直しや新たな法制度を創設するよう求める。
5、「宗教等2世」が受けた信仰等を理由とする虐待を念頭に、第三者による宗教虐待の禁止を法律上明記するとともに、宗教虐待等に対処するための法整備及び体制の強化を求める。