「車検ステッカー」位置変更なぜ? 既存は剥がす必要あり? 罰則や取締りは? 7月3日から適用

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今貼っている車検ステッカーはどうすれば良い?

 2023年7月3日からクルマの車検ステッカーの位置が変わりますが、この変更には一体どのような狙いがあるのでしょうか。
 
 またステッカーの貼付位置が間違っていた場合、取り締まりを受けることはあるのでしょうか。

2023年7月3日から車検ステッカーの貼付位置が変更となるが、既に貼ってあるものはどうすれば良いのか?

 車検を受けるとクルマのフロントガラスに新しい車検ステッカーを貼りますが、2023年7月3日(月)から車検ステッカーの貼付位置が変わります。

【画像】「絶対にこれは剥がしちゃダメ!」貼らないとダメなステッカーを写真で見る(27枚)

 従来は「前方から見やすい位置」としてフロントガラス中央のルームミラー付近に貼付することが一般的でした。

 しかし変更後は、「運転者席側上部で、車両中心から可能な限り遠い位置(前方かつ運転者席から見やすい位置)」に車検ステッカーを貼付する必要があります。

 具体的には右ハンドルの場合、運転者から見てフロントガラスの右上部分にステッカーを貼ることになります。

 では、この変更にはどのような狙いがあるのでしょうか。

 車検ステッカーの表面には車検証の有効期間が満了する年月が記載されており、たとえば令和5年(2023年)7月中に期間が満了する場合、月を示す「7」がステッカーの中央に、年を示す「5」が右下に少し小さめに記載されます。

 また裏面には「自動車検査証の有効期間の満了する日 5年7月1日」といったように日付が記載されており、車検をいつまでに受ければ良いのかが分かります。

 国土交通省は車検ステッカーの貼付位置を変更する理由について、「運転者席からも見やすい位置に貼付することにより、運転者が自動車検査証の有効期間を容易に確認できる状況を作ることで、車検の受け忘れ等を未然に防止することを目的としている」と説明しています。

 この変更に関しては「運転者が有効期間を意識できるようになるので良い」という賛成意見のほか、「車検切れで運行する人は普段から注意していない、あるいは意図的におこなっている場合があり、効果が期待できないので変更する必要はない」という意見も聞かれました。

 さらに、「ドライブレコーダーやETC受信機器などの設置場所によっては運転者席側にステッカーを貼れない場合もあるのでは」と疑問の声も寄せられています。

 国土交通省はこのような意見に対し、原則は「運転者席側上部で車両中心から可能な限り遠い位置」に貼付するとしつつも、運転者の視野を妨げる場合には例外として「運転者の視野を妨げない、前方かつ運転者席から見易い位置」でも貼付可能と回答しています。

既に貼っているステッカーは剥がさないとイケナイ? その答えは?

 そのほか車検ステッカーに関しては「今のステッカーを貼り直さなければいけないのか?」、「指定位置に貼らなかった場合の罰則はあるのか?」ということが気になる人もいるかもしれません。

 国土交通省は貼付位置の変更については2023年7月3日以降、新たにステッカーを貼る場合に適用されるため、すでに貼られているステッカーの位置を変える必要はないと説明しています。

 またステッカーを指定の位置に貼らなかった場合の罰則に関して、国土交通省は関連資料の中で以下のように回答しています。

「道路運送車両法第66条において自動車には、検査標章を表示しなければ運行の用に供してはならないとされており、省令により前面ガラスの内側に貼付等するよう規定しております。
(中略)
 なお、同法第66条に違反した場合、同法第109条の罰則が適用される場合があります(文章を一部抜粋)」

車検ステッカーはどこに貼ればいい? (画像引用:国土交通省)

 つまり指定の位置にステッカーを貼らなければならず、違反した場合には50万円以下の罰金を科せられる可能性もあるということです。

 ただし、無車検や不正改造車の運転のように悪質性の高い違反ではないうえ、ドライブレコーダーやETC機器などの設置状況によってはステッカーの位置が通常とは変わるケースも想定されます。

 加えて国土交通省はステッカーの位置が間違っていても車検を受けることは可能と話しており、ステッカーの貼付位置について厳しく取り締まりがおこなわれるとは考えにくいといえるでしょう。

※ ※ ※

 車検ステッカーの位置変更は車検切れ防止を目的として実施されます。

 車検の時期は国や自治体が連絡してくれるワケではないため、車検ステッカーの定期的な確認や、車検証の有効期間を通知してくれる電子車検証の閲覧アプリを活用するなど、ユーザー自身の管理が非常に重要です。