ちょっと前まで当たり前に存在していた「江戸橋&呉服橋ランプ」の風景、消滅中です。

ランプ撤去が終わればいよいよトンネル工事へ


ランプの撤去が進む首都高都心環状線(乗りものニュース編集部撮影)。

 首都高C1都心環状線では、日本橋区間を「完全地下化」する工事が進められています。日本橋川を覆うように延びる江戸橋JCT〜神田橋JCT間の1.8kmを地下トンネルへ移設し、現在の高架橋を撤去、「日本橋に空を取り戻す」というプロジェクトです。

 竹橋から箱崎へはトンネルで直行し、築地方面へは八重洲線とトンネル「新京橋連結路」による新ルートが整備されます。

 事業の順番とスケジュールですが、手始めに、2021年5月に江戸橋出入口と呉服橋出入口が廃止されました。そして両出入口の高架橋を撤去し、まずトンネル工事をしやすい現場状況にします。その後トンネル建設を進めていき、2035年にトンネルが開通。そのあと約5年かけて一気に高架撤去をしていきます。

 現在、その第一段階である「江戸橋&呉服橋」のランプ高架の撤去が大詰めとなっています。

 江戸橋南詰にあった入口料金所はすでに更地。橋のたもとから直角カーブで延びていた高架橋は、出入口ともすでに消滅。かろうじて橋脚だけが点々と川の中に残っており、ありし日の面影を残しています。本線から分岐していた部分では、高架橋の防護壁に「斜め通路の痕跡」があり、いわゆる"トマソン"な姿となっています。

 いっぽう呉服橋の出入口ランプは、本線接続部から徐々に撤去されており、呉服橋〜西河岸橋のあいだの半分くらいが残っている状況です。予定では来年2月末には撤去が完了するとしており、橋のたもとから直角カーブで空へ伸びていくランプの姿は、まもなく見納めとなります。

 撤去された橋桁は、1径間ごとに台船に乗せられ運ばれていきます。前・東京五輪の頃から約60年にわたり都心の交通を支え続け、今は肩の荷を下ろした状態で、日本橋川にぽつんと浮かんでいました。