大山でも佐藤輝でもない 球界OBから首位独走阪神の「陰のキーマン」とされた選手の名前

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遊撃を守る木浪が攻守にわたってキーマンの役目を果たしている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 阪神は28日の巨人戦(甲子園)に4−1と勝利。このカード3タテとし、今季初の8連勝を達成。貯金も最多「17」で首位をキープと独走モードに入っている。

 先発した才木浩人は8回途中を1失点と試合を作れば、打線は相手のミスにも乗じてしっかり得点を稼いだ。

【動画】これぞ4番の仕事!主砲・大山が7回にダメ押しの2点適時打を放った場面

 秋広優人のソロアーチで同点に追いつかれた直後の7回裏、先頭の木浪聖也がしっかり中前打で出塁すると9番・才木のバントは捕手前に失敗も、相手捕手の大城卓三が二塁悪送球で無死、一、二塁とチャンスを拡大。一死満塁とし、ノイジーが替わった三上朋也のスライダーをとらえ中前へ運び勝ち越しに成功、続く大山悠輔も三上の初球を捉え、左翼線へ適時二塁打を放った。怒涛の波状攻撃でこの回3得点と一気に巨人をうっちゃった。

 これで5月は18勝と勢いは止まらない。快進撃続く阪神の戦いぶりには球界内からも様々な考察の声が出ている。現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務めた野球解説者の高木豊氏は28日に更新した自身のユーチューブチャンネルで阪神のチーム状態について言及している。

 週末3連戦の各球団の戦いぶりを振り返る企画の中で阪神が巨人を3タテしたことには「阪神の強さが浮き彫りになった」とうなった高木氏。ともに百戦錬磨とされ、たくみなベンチワークが持ち味の両指揮官なこともあり「非常に面白い3連戦だった」と選手起用含め、見応え十分だったと振り返った。

 そんな中で注目したのは両外国人の好調さにもある。ミエセスは28日の試合でも4回に先制の4号ソロを放ち、ノイジーも7回に勝ち越しの適時打を放つなどチームに貢献している。

 この2人に関して高木氏は「ノイジー、ミエセスはオスナ、サンタナになりうる」とヤクルトのリーグ連覇にも貢献した優良助っ人の2人になぞらえる場面も。

 またあまりクローズアップされないが、陰のキーマンについても言及した。

「木浪がポイントになっている。下位から上位につなげてくるから、1、2番が生きるし。1、2番が優秀だから、そこでチャンスを広げて、ノイジー、大山、サトテルに渡すから、それは点が入るよね」と8番打者の木浪の貢献をたたえた。

 木浪は今季ここまで42試合に出場し、打率・310と好調をキープ。打率だけでは主砲の大山(打率・303)を抜き、リーグ8位の成績を維持している。守っても遊撃手部門のリーグトップとなる守備率(・987)と堅い守備でチームを助けている(ともに28日現在)。

 この「恐怖の8番」の存在があるからこそ、好調な1、2番、近本光司、中野拓夢につながり、クリーンアップで得点を奪うという必勝パターンができていることが大きいと見る。

 実際に岡田彰布監督も28日の試合後のテレビインタビューで7回の攻防に関して、先頭の木浪に対して「絶対塁に出ろと言った」と出塁を厳命したと明かした上で、その意図に関して「1アウトセカンドで1、2番の形を作りたかった」と木浪が攻撃の起点になったとその働きを評価した。

 投打がかみあい最高の形で交流戦に突入する。これまでの戦いを「全然できすぎ」と語る、「岡田マジック」が交流戦でも炸裂するか。虎ファンが楽しみなシーズンはまだまだ続きそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]