阪神OBが考える岡田采配の巧みさ「メディアを上手く使っている」

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岡田監督の巧みな人心掌握術もチームを好調に導いている要因のひとつだろう(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 阪神の勢いが止まらない。5月は14勝4敗と貯金を10も稼いでおり、9、10日のヤクルト戦で喫した2連敗を最後に連敗もしていない。この強さは選手の活躍はもちろん、岡田彰布監督の存在も大きい。

 指揮官の手腕は戦略面だけでなく、選手のモチベーション管理にも発揮されており、野球解説者も高く評価している。現役時代に阪神の主軸として活躍した鳥谷敬氏がYouTubeチャンネル『ytv阪神応援チャンネル「トラトラタイガース」』の動画内で、岡田監督の選手起用について語っていた。

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 鳥谷氏は森下翔太やミエセスなど二軍で調子が良かった選手をすぐに一軍に上げ、積極的に起用することに「『二軍で結果を出せば一軍で出れる』というのを証明するため、ずっと同じ選手じゃないようにして、二軍のモチベーションも上げている」とその狙いを分析。長いシーズンを戦い抜くため、そして各選手がどうすれば成長するのかを考えながら広い視野を持って戦っているという。

 開幕スタメンを勝ち取ったものの、木浪聖也の調子が良いためにベンチを温める機会が多くなった小幡竜平の使い方にも触れている。「小幡選手の生きる道というのは代走で出て決勝点となって、そういうモチベーションを保たせながらやっていく」とコメント。役割を明確に与え、スタメンで出場できないフラストレーションを緩和させているようだ。小幡のモチベーションを保つことで、木浪が調子を落とした時にはすぐにフォローできる。先々を見据えた準備も意識しながら上手く起用しているのだろう。

 また、「『こういう時にボール球を振っていたら調子崩すよ』というのを直接じゃなくて、メディアを通じて本人に伝えたりとか」「『ダメだったら外す』って(メディアで発言する)ことは出れる可能性がある人達からすれば、モチベーションが上がる」とメディアの使い方の上手さも指摘。メディアを通して、伝えたいことをその選手に伝えるだけでなく、出場機会を求めている選手のモチベーションアップも同時に図っており、グラウンド内外でも名将としての立ち振る舞いを見せている。

 「おーん」「そらそうよ」という岡田節を楽しむファンも多いが、指揮官の発言がチームにどのような影響をもたらすのかまで推測すると、より一層岡田監督のメディア対応を楽しめるかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]