左から日本音楽産業・文化振興財団の後藤豊理事長、清華大学の簡禎富副学長、田家秀樹さん

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(新竹中央社)北部・新竹市の清華大学図書館には音楽評論家の田家秀樹さんが寄贈した日本のCD約1万8000枚が収蔵されている。CDの発売年代は1970年代から2020年代までにわたる。同大は23日、田家さんら関係者を招いて座談会を開き、寄贈に感謝した。

同大が公開している情報によれば、CDは2018年に田家さんから寄贈され、4年をかけ18便に分けて台湾に運ばれた。CDはすでに館内に並べられ、貸し出しが開始されている。

中央社の取材に応じた田家さんは台湾への寄贈について、日本の流行音楽は70年代から80年代にかけて全盛期を迎えたものの、台湾では49年から87年まで戒厳令が敷かれており、日本の音楽が台湾の人々にあまり届いていなかったことが背景の一つにあると話す。自身のCDがこの期間の音楽文化の空白を埋めるのに役立てばと期待を寄せる。

田家さんと共に訪台した日本音楽産業・文化振興財団の後藤豊理事長によれば、寄贈したCDには著作権や版権などの問題もあった。だが、音楽業界からの支持を得て許可を取得したという。同大への寄贈は、同大卒業生の林宏明さんの協力によって実現した。

同大図書館では田家さん寄贈のCDに関連した展示も行われている。田家さんは、学生にこれらのCDを聞いてもらうとともに、展示を通じて日本の流行音楽の発展を理解してもらえればと願った。

(郭宣彣/編集:名切千絵)