ニュージーランドの浜辺に打ち上がった謎の流木。表面にはびっしりと貝のような生物が張り付いており、目撃者らは「エイリアンのよう」と気味悪がっていた(画像は『9News 2023年5月9日付「‘Alien’ log covered in strange creatures washes up on New Zealand beach」(KYLIE MORMAN)』のスクリーンショット)

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ニュージーランド北島の海岸で今月7日、奇妙な流木が発見された。表面には貝のような生き物が大量に張り付いており、気味悪がる声も届いたが、「一部の地域で高級食材として扱われている生き物では?」という声もあがっている。ニュージーランドのニュースメディア『Stuff.co.nz』などが詳細を伝えた。

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話題の流木が打ち上がったのは、ニュージーランド北島ベイ・オブ・プレンティだ。近所に住むカイリー・モーマンさん(Kylie Morman)が、朝の散歩をしている時に不思議な流木を発見した。「ミミズのような触手があって、貝殻の中に生き物がいたんです」とカイリーさんは振り返っている。

流木は約5メートルという大きなもので、公開された動画によれば、流木の表面は貝のような生き物でびっしりと覆われていることが分かる。多数の白い貝殻から長い触手が伸びており、カイリーさんが指で触れると中に引っ込んで貝殻がキュッと閉まる様子も映っている。

アニータ・ベテューヌさん(Anita Bethune)もこの流木を目撃した1人で、「まるでエイリアンのような流木でした。一体これは何なの?」と驚いていた。多くの人にとっては見慣れない生き物だが、この奇妙な生き物を知っている人々から「“グースネックバーナクル(Gooseneck barnacle)”というフジツボの一種では?」という声があがった。

その後、オークランド博物館の海洋無脊椎動物学芸員であるウィリアム・ブロムさん(Wilma Blom)がこの生き物を確認したところ、学名「Lepas anatifera」というグースネックバーナクルだったことが判明した。地中海地域で食用とされていることにも触れ、「私はまだ食べたことがありません」とコメントしている。

一方でニュージーランド自然保護局は、ニュージーランドではグースネックバーナクルがよく流れ着くため珍しいことではないとしながら、「ポルトガルやスペインで高級食材とされている種類のものとは異なる可能性があります」と見解を述べている。

北ヨーロッパ・バルト海侵略的外来種ネットワーク「NOBANIS」によると、グースネックバーナクルは海に浮いている船や流木のほか、プラスチックのゴミなどにも付着することがあるそうだ。また触手は4センチほどだが、最大で80センチもの長さにまで伸びるという。通常、触手を伸ばすのは海の中だけと考えられており、今回カイリーさんが触手に触れることができたのは珍しい体験だったようだ。

ちなみに昨年11月にも、英ウェールズの海岸にグースネックバーナクルが打ち上げられたが、発見者は高級食材と知ったものの、その見た目から「食べたいとは思わない」とコメントを残していた。

画像は『9News 2023年5月9日付「‘Alien’ log covered in strange creatures washes up on New Zealand beach」(KYLIE MORMAN)(Anita Bethune)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)