2020年4月にリリースされて以降、アーティストや政治家などを中心に人気を集めた音声ベースのSNS「Clubhouse」が、2023年4月27日に従業員の半数以上を解雇することを発表しました。Clubhouseの創設者であるポール・デイヴィソン氏らは「新型コロナウイルス後の時代に向けて、Clubhouseをリセットする必要があります」と述べています。

Founders’ email to Clubhouse employees

https://blog.clubhouse.com/april-27-2023/



Audio app Clubhouse lays off half its employees

https://www.axios.com/2023/04/27/audio-app-clubhouse-layoffs



Clubhouse is laying off more than half of its workforce - The Verge

https://www.theverge.com/2023/4/27/23701144/clubhouse-layoffs-half-employees

Clubhouseは、自分やその他のユーザーが立ち上げた「ルーム」に入室して音声会話を行ったり、誰かの発言を聞いたりすることができる音声ベースのSNSです。2020年4月のサービス開始時は招待制を採用していましたが、2020年7月以降招待制は廃止されています。

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Clubhouseは2021年5月に日本でも正式サービスが開始され、新型コロナウイルスの流行に伴う外出の自粛と相まって人気を博していました。しかしその後Twitterのスペース機能の追加などに伴い、最盛期の人気に陰りが見えていました。

そこで、Clubhouseの共同創設社であるポール・デイヴィソン氏とローハン・セス氏は従業員に対し、「組織を50%以上縮小し、その過程で多くの才能のあるチームメイトに別れを告げることを発表します」と伝えています。なお、広報担当者によるとClubhouseの従業員数は、合計で100人以下とされています。





従業員宛のメモの中で、両氏は「新型コロナウイルスの流行後に世界がオープンになるにつれて、多くのユーザーがClubhouseで友達を見つけることや、Clubhouseでの長時間の会話を日常生活に合わせることが困難になっています」と述べ、「Clubhouseが世界で役割を見つけるために進化する必要があります。これには変化の期間が必要です」と明かしています。一方で、両氏は「今回の従業員削減は会社のコストを削減するという緊急の課題ではありません」と述べつつも、「今後のサービスの修正のためにはやむを得ない結論です」と述べています。

そこで両氏は「Clubhouseの修正のために、会社をリセットし、これまでの役割を排除し、これまでよりも小規模なチームで製品に焦点を当てた運営を行う必要があります」と強調しています。

今回の従業員削減の影響を受ける人物に対してClubhouseは、2023年4月分の給与を提供し、8月末まで4カ月間退職金を支払うことを発表しています。加えてClubhouseは健康保険の提供や次の職場へのキャリア紹介サービス、ビザを持つ従業員へのサポートなどを行います。

両氏は「私たちは今後のClubhouseの動向について明確なビジョンと成長のための重要な計画があります。そのために私たちはClubhouseに焦点を当てる小規模なスタートアップとして再出発して、適切な製品を構築する必要があります」と述べています。