ATEM Television Studio 4K8説明写真

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Blackmagic Designは、ライブプロダクションスイッチャー「ATEM Television Studio 4K8」を2023年7月に発売する。希望小売価格は税込664,800円。

新登場のATEM Television Studio 4K8は、放送用コントロールパネルに組み込まれたプロ仕様のライブプロダクションスイッチャー。ハイエンドの作業に対応できる性能を有しながら、ポータブルなのを特徴とする。機材ラックや中継車を使用できない小さな現場でも使用できるとしている。

フォーマット変換機能を搭載した8個の12G-SDI入力、10個の12G-SDI Aux出力、4つのクロマキーヤー、2つのダウンストリームキーヤー、SuperSource、2つのメディアプレーヤー、多数のトランジションを搭載したスイッチャーだという。

また、ハードウェア配信、収録、オーディオミキサー、トークバック、マルチビュー、オプションの内部ネットワーク共有ストレージなど、テレビスタジオの機能を搭載している。

ATEM Television Studioは、スイッチャーとコントロールパネルがひとつのユニットに統合されており、小型を実現。フロントパネルのボタンでは、ソースの選択、トランジションの開始、ビデオエフェクトの設定が可能。これらのボタンは、高価な放送用スイッチャーと同じハイエンドのボタンだという。また、トランジションをマニュアルでコントロールできるTバーも搭載。フロントパネルにはオーディオミキサーコントロールがあり、専用のLCDにはライブメーターが搭載されている。

ATEM Television Studioは、SDIビデオ入力を8つ搭載しているため、複数のカメラを接続し、様々なアングルからパフォーマンスを捉えられる。Blackmagic Studio CameraやBlackmagic URSA Broadcast G2など、SDI出力を搭載したビデオカメラは、低照明条件での性能に優れ、プロ仕様のレンズを使用するため、高い品質の映像を撮影できるという。それぞれのビデオフォーマットが異なる場合でも、全ビデオソースがスイッチャーに再同期される。ロケ先でのセットアップも簡単で、シンプルに機能するので技術的な心配は不要としている。

ディゾルブなどのトランジションや、ディップ・トゥ・カラー、DVEスクイーズ、DVEプッシュなどのドラマチックなエフェクトを選択可能。また、DVEを追加して、カスタマイズしたグラフィックによるピクチャー・イン・ピクチャー・エフェクトの作成も可能。アルファチャンネル付きのグラフィックを、タイトルまたはグラフィック用としてメディアプレーヤーに保存し、ライブビデオ入力としてロードして、ライブ配信できる。

ATEM Television Studioの特徴のひとつとして、内蔵された多彩なビデオエフェクトであるという。ビデオエフェクトのトランジションは、Tバーフェーダーを使用するか、AUTOボタンを押して自動的に実行可能。様々なSMPTEワイプのほか、ビデオソース間をトランジションする際に、イメージを画面外にスライドまたはスクイーズさせる楽しいDVEエフェクトなども搭載されている。

ATEM Television Studio 4K8はジョイスティックを搭載しており、DVEの位置を調整して、ピクチャー・イン・ピクチャー・エフェクトをカスタマイズできる。3軸コントロールで、ワイプパターンのX、Y、Z軸の位置や、DVEの位置をコントロール可能。ジョイスティックでDVEを正確に配置し、回転ノブでDVEのサイズを変更できる。サイズの調整、上下左右のポジショニングを行って完璧なピクチャー・イン・ピクチャー・エフェクトを実現できるという。また、ジョイスティックでDVEを動かして、開始と終了のキーフレームにおけるDVEの位置を設定し、独自のアニメーションDVEを作成することも可能。

内蔵のメディアプールには放送品質のグラフィックおよびアニメーションを保存でき、同じく内蔵されたメディアプレーヤーで再生可能。高い品質を得るために、すべてのメディアがアルファチャンネル付きのRGBカラースペースをサポートしており、透明化とレイヤリングが可能。メディアプールには20個までのHDまたはUltra HD解像度スチルを保存可能。ATEM Television Studio 4K8では、アニメーションやスティンガーに使用するモーショングラフィックスのクリップは、720HDで800フレーム、1080HDで400フレーム、2160 Ultra HDで200フレームまで保存できるという。

ATEM Television Studioは、グリーンバックのキーイングを行えるATEM Advanced Keyerを4つ搭載しており、ニュースやオンセットでのプレゼンテーションに最適だという。クロマキーヤーは非常にパワフルで、背景色をサンプリングしてキーパラメーターを自動生成できるカラーピッカーなどの機能を搭載している。エッジやフレアを正確にコントロールでき、フォアグラウンド用のカラーコレクターを搭載しているため、フォアグラウンドレイヤーとバックグラウンドレイヤーをマッチさせて、シームレスな合成を作成できる。キーヤーは、パターンキーやDVEキーにも使用できるという。

ATEM Television Studioは、DVEに加えて、強力なSuperSourceマルチレイヤープロセッサーも内蔵。SuperSourceでは、4つのDVEレイヤーと1つのバックグラウンドレイヤーが、1つの入力ソースとしてレイヤーされる。SuperSourceは、複数のピクチャー・イン・ピクチャーを表示したい場合に最適で、1つのスタイリッシュなグラフィックを背景にインタビューを受ける複数の人を配置して表示できるという。

ATEM Television Studio 4K8は、8つの12G-SDI入力を搭載。各入力には専用のフォーマットコンバーターが搭載されており、720 HD、1080 HD、2160 Ultra HDのあらゆる入力ソースが、スイッチャーで設定したフォーマットに変換されるという。

ATEM Television StudioはSDIプログラム出力を最大9つ搭載しているので、プログラムリターンフィードをすべてのカメラに送信できる。SDIプログラムリターンは、タリー、トークバック、コントロール情報をカメラに送信するので、全カメラに接続できることは重要である。また、ステージモニターおよびマスターレコーダー用にAux出力も搭載。さらに、マルチビュー専用の3G-SDIおよびHDMI出力も搭載している。

ATEM Television Studioは、Fairlightオーディオミキサーを内蔵しており、複雑なライブのサウンドミキシングを実行できる。内部ミキサーは全SDI入力用に十分なチャンネル数があり、XLR、RCA、MADI入力用にも予備のチャンネルがある。各入力チャンネルは、6バンドの高品質パラメトリックEQ、コンプレッサー、リミッター、エクスパンダー、ノイズゲート、レベルおよびパンコントロールを搭載。オーディオミキサーは強力で、フロントパネルから専用のオーディオミキサーコントロールおよびLCDを使用して調整できるという。

ATEM Television Studioはプロ仕様のマルチビューを搭載しており、すべてのビデオ入力、プレビュー、プログラムを1台のSDIまたはHDMIモニターで確認可能。各カメラのビューには、オンエア状態が確認できるタリーインジケーターが表示される。また、各ビューのラベルはカスタマイズ可能で、それぞれのオーディオメーターも表示される。マルチビューのレイアウトは、最大16個まで同時に表示でき、自由にカスタマイズ可能。

ATEM Television Studioは、ハードウェア配信エンジンを内蔵しており、世界中の人々に対してライブ配信できる。YouTubeやFacebook、Twitchなどのサービスに、高品質かつコマ落ちなしでライブ配信できるという。配信はインターネットへのイーサネット接続で行うか、スマートフォンに接続してモバイルデータを使用することも可能。

USB接続はウェブカムをエミュレートするので、あらゆるビデオソフトウェアとATEM Television Studioを使用できる。コンピューターに接続するだけで、ウェブカム対応のあらゆるビデオソフトウェアで作業可能。つまり、あらゆるビデオソフトウェアとの互換が保証されており、フル解像度の1080HD品質が得られるという。

Blackmagic DesignのCEO、グラント・ペティ氏は次のようにコメントしている。

最近、ATEM Television Studio HDを発表しましたが、ユーザーからの人気は上々でした。

そこで私たちは4Kモデルの開発を進めました。ATEM Television Studio 4K8は非常にエキサイティングな製品で、外部収録に使用できる10個の独立した12G-SDI出力を搭載しています。全出力が同期し、タイムコードがマッチしており、完全なオーディオマッピングに対応しているので、マルチカム編集用の高品質ソリューションを求めているユーザーに最適です。


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