Photoshopで本物と見間違うようなリアル質感のフェルト生地を作る方法を紹介します。作ったフェルト生地を作って、ここではさらに文字加工を施してロゴにします。ポップ、ガーリー、手芸(クラフトワーク)などさまざまなシーンで使いやすい定番手法。ぜひご利用ください。
*本連載はPhotoshopで作る定番グラフィックの制作工程を、一から手順通りに解説するHow to記事です。■使用する機能「塗りつぶしツール」「ノイズを加える」「拡大・縮小」「切り抜きツール」「ストローク(スプレー)」「横書き文字ツール」「選択範囲を変更」「選択範囲を反転」「ラインツール」「光彩(内側)」「光彩(外側)」「ベベルとエンボス」「カラーオーバーレイ」「ドロップシャドウ」目次1.フェルトのテクスチャを作るまずは新規ファイルを[幅:1200ピクセル]、[高さ:900ピクセル]、[解像度:350ピクセル/インチ]で開いたら、新規レイヤーを作成して[描画色]を[R:127、G:127、B:127]に設定(図1)。塗りつぶしツールで画面をクリックして作成したレイヤーをグレーで塗りつぶす(図2)。図1。[描画色]を[R:127、G:127、B:127]に設定する図2続いて、フィルターメニュー→“ノイズ”→“ノイズを加える...”を[量:20%]、[分布方法:ガウウス分布]、[グレースケールノイズ]をオンにして適用する(図3)(図4)。図3。[量:20%]、[分布方法:ガウウス分布]に設定し、[グレースケールノイズ]のチェックをいれる図4次に、編集メニュー→“変形”→“拡大・縮小...”を選択し、オプションバーで[W:300%]、[H:300%]に設定して適用し(図5)、先ほど加えたノイズを粗くする(図6)。その際、切り抜きツールでカンバスからはみ出た部分は削除しておく(図7)(図8)。図5。オプションバーで[W:300%]、[H:300%]に設定する図6図7。切り抜きツールでカンバス部分を切り抜いて、はみ出た部分は削除する図8[描画色]を黒、[背景色]を白にしたら、フィルターメニュー→“フィルターギャラリー...”を選び、[ブラシストローク]の[ストローク(スプレー)]を[ストロークの長さ:10]、[スプレー半径:18]、[ストロークの方向:右上から左下]で適用する(図9)(図10)。これでフェルトのテクスチャが完成。図9。[ストローク(スプレー)]を[ストロークの長さ:10]、[スプレー半径:18]、[ストロークの方向:右上から左下]に設定する図102. フェルトを文字の形に切り抜くフェルトを文字の形に切り抜いていく。まず横書き文字ツールで元になる文字(ここでは「FELT」)を入力し、文字パネルでフォントやフォントサイズなどを設定する(図11)。図11続いてレイヤーパネルで文字のレイヤーのレイヤーサムネールをcommandキー(Macの場合。WindowsではCtrlキー)を押しながらクリックして選択範囲を作成する(図12)。図12。文字の輪郭に沿って選択範囲を作成するレイヤーパネルで文字のレイヤーを非表示にしたら(図13)、フェルトのテクスチャのレイヤーを選択してコピー&ペーストし、テクスチャのレイヤーは非表示にしておく(図14)(図15)。図13図14図15。この時点のレイヤーの状態。背景レイヤーと文字の形にテクスチャを切り抜いたレイヤーのみ表示させておくレイヤーパネルでペーストしたレイヤー(文字の形にテクスチャを切り抜いたレイヤー)を選択したら、そのレイヤーサムネールをcommandキー(Macの場合。WindowsではCtrlキー)を押しながらクリックして選択範囲を作成し(図16)、選択範囲メニュー→“選択範囲を変更”→“滑らかに...”を[半径:10pixel]で適用する(図17)(図18)。図16図17。[半径:10pixel]に設定する図18。選択範囲の角が丸みを帯びた形になる次に、選択範囲メニュー→“選択範囲を反転”を実行したら(図19)、deleteキーを押して選択部分を削除し、選択を解除しておく(図20)。図19図20。文字の角が取れて丸みを帯びた形になる3.フェルトの文字にステッチをあしらう文字にステッチを付けて手縫い風にしていく。レイヤーパネルで新規レイヤーを最前面に作成したら、ラインツールを選択し、オプションバーで[ツールモード:ピクセル]、[モード:通常]、[不透明度:100%]、[線の太さ:5px]に設定する(図21)。図21。[ツールモード:ピクセル]、[モード:通常]、[不透明度:100%]、[線の太さ:5px]に設定する[描画色]を白にしたら、先ほど作成した新規レイヤー上にアナログな雰囲気が出るよう意識しながらステッチ風のラインを加えていく(図22)(図23)。図22図23レイヤーパネルでステッチのレイヤーを選択したら、そのレイヤーサムネールをcommandキーを押しながらクリックして選択範囲を作成し(図24)、選択範囲メニュー→“選択範囲を変更”→“滑らかに...”を[半径:3pixel]で適用する(図25)(図26)。図24図25。[半径:3pixel]に設定する図26選択範囲メニュー→“選択範囲を反転”を実行したら、deleteキーを押して選択部分を削除し、選択を解除しておく(図27)。図27。ラインツールで引いたラインの角が取れて、ステッチらしい雰囲気になった図27の全体図4.ロゴに色や立体感をつけて仕上げるロゴに色や立体感をつけていく。レイヤーパネルでラインのレイヤーを選択したら、レイヤーメニュー→“レイヤースタイル”→“光彩(内側)...”を選び、[描画モード:乗算]、[不透明度:50%]、[ノイズ:0%]、[光彩のカラー:黒]、[テクニック:さらにソフトに]、[ソース:エッジ]、[チョーク:24%]、[サイズ:2px]、[輪郭:線形]、[範囲:48%]、[適用度:0%]に設定する(図28)。図28。レイヤースタイルの[光彩(内側)]を[描画モード:乗算]、[不透明度:50%]、[ノイズ:0%]、[光彩のカラー:黒]、[テクニック:さらにソフトに]、[ソース:エッジ]、[チョーク:24%]、[サイズ:2px]、[輪郭:線形]、[範囲:48%]、[適用度:0%]に設定する続いてレイヤースタイルの[光彩(外側)]を選択したら、[描画モード:乗算]、[不透明度:30%]、[ノイズ:0%]、[光彩のカラー:黒]、[テクニック:さらにソフトに]、[スプレッド:31%]、[サイズ:7px]、[輪郭:線形]、[範囲:50%]、[適用度:0%]に設定して適用する(図29)(図30)。図29。レイヤースタイルの[光彩(外側)]を[描画モード:乗算]、[不透明度:30%]、[ノイズ:0%]、[光彩のカラー:黒]、[テクニック:さらにソフトに]、[スプレッド:31%]、[サイズ:7px]、[輪郭:線形]、[範囲:50%]、[適用度:0%]に設定する図30。左が図27の状態。右がステッチに立体感をつけた状態。立体感をつけたことでよりリアルな縫い目らしさを演出できる図30の全体図背面に布地のテクスチャ画像などを配置したら(図31)、レイヤーパネルで文字の形にフェルトを切り抜いたレイヤーを選択。レイヤーメニュー→“レイヤースタイル”→“ベベルとエンボス...”を選び、[スタイル:ベベル(内側)]、[テクニック:滑らかに]、[深さ:115%]、[方向:上へ]、[サイズ:3px]、[ソフト:0px]、[角度:125°]、[高度:30°]、[光沢輪郭:線型]、ハイライトを[ハイライトのモード:覆い焼き(リニア) - 加算]、[ハイライトのカラー:白]、[不透明度:20%]に、シャドウを[シャドウのモード:乗算]、[シャドウのカラー:黒]、[不透明度:50%]に設定する(図32)。図31図32。レイヤースタイルの[ベベルとエンボス]を[スタイル:ベベル(内側)]、[テクニック:滑らかに]、[深さ:115%]、[方向:上へ]、[サイズ:3px]、[ソフト:0px]、[角度:125°]、[高度:30°]、[光沢輪郭:線型]、ハイライトを[ハイライトのモード:覆い焼き(リニア) - 加算]、[ハイライトのカラー:白]、[不透明度:20%]に、シャドウを[シャドウのモード:乗算]、[シャドウのカラー:黒]、[不透明度:50%]に設定する続いて、レイヤースタイルの[カラーオーバーレイ]を選択したら、[描画モード:乗算]、[オーバーレイのカラー]をベージュ(ここでは[R:217、G:161、B:123])、[不透明度:100%]に設定する(図33)。図33。レイヤースタイルの[カラーオーバーレイ]を[描画モード:乗算]、[オーバーレイのカラー]をベージュ(ここでは[R:217、G:161、B:123])、[不透明度:100%]に設定するさらにレイヤースタイルの[ドロップシャドウ]を[描画モード:乗算]、[シャドウのカラー:黒]、[不透明度:100%]、[角度:125°]、[距離:4px]、[スプレッド:0%]、[サイズ:5px]、[輪郭:線形]、[ノイズ:0%]に設定して適用する(図34)(図35)。図34。レイヤースタイルの[ドロップシャドウ]を[描画モード:乗算]、[シャドウのカラー:黒]、[不透明度:100%]、[角度:125°]、[距離:4px]、[スプレッド:0%]、[サイズ:5px]図35ここでは、さらに背景に飾り要素などを加えて完成とした(図36)。図36。完成ビジュアル以上、Photoshopで本物と見間違うようなリアル質感のフェルト生地を作る方法でした。