自動車メーカーのテスラは、2023年2月16日(木)に自社製電気自動車の36万2758台に不具合が見つかったとして、リコールを行なうことを発表しました。リコールの内容としては、テスラが「完全自動運転(Full Self-Driving:FSD)」として展開する技術のベータ版が交通安全上危険であるためだとされています。

Part 573 Safety Recall Report

(PDFファイル)https://static.nhtsa.gov/odi/rcl/2023/RCLRPT-23V085-3451.PDF

Tesla to recall 362,758 cars because Full Self Driving Beta is dangerous | Ars Technica

https://arstechnica.com/cars/2023/02/tesla-to-recall-362758-cars-because-full-self-driving-beta-is-dangerous/

アメリカ運輸省道路交通安全局が発表したリコールの概要によると、「テスラによるFSDのベータ版は右左折専用レーンにもかかわらず交差点を直進したり、一時停止標識を無視して交差点に進入したり、黄色信号の点灯時に十分な注意なしに交差点に進んだりするなど、交差点周辺で危険な行動を取ることがあります」とのこと。

また「このシステムは、制限速度が切り替わった際にその制限を無視するなど、車両の速度を適切に調整していない可能性があります」と付け加えられています。

アメリカ運輸省道路交通安全局は2023年1月25日にテスラに対し、FSDのベータ版の運転について懸念があると説明し、リコールを行なうように求めました。数週間にわたるテスラ社内での会議の結果、同社は自動車に対しリコールを行なうことを発表しました。

2021年にもテスラは「ブレーキを不適切にかける傾向がある」との理由から約1万台のテスラ車に対して(PDFファイル)リコールを行ないました。

今回のリコールの対象となるモデルは2016年から販売されているモデルSやモデルX、2017年発売のモデル3、2020年発売のモデルYです。



リコール対象者には2023年4月中旬までに通知され、FSDベータ版の最新バージョンがネット上でテスラから送信されるとのこと。

アメリカ運輸省道路交通安全局は、2016年以降発生したテスラのFSDによる19件の死亡事故を含む41件の事故を受けて、競合他社に水をあけられているテスラのFSDに対し、今後も調査を行なうことを発表しています。