寒さで手足が冷える冬は、なかなか寝つけずに、朝すっきり起きられないことも。健康の要となる睡眠をよりよいものにするための睡眠環境のつくり方を快眠セラピストの三橋美穂さんに教えてもらいました。

年々眠りが浅くなるのはなぜ?

若い頃はぐっすり眠れていたのに、年齢とともに眠りが浅くなり、悩みが増えてきたという読者が多いよう。その理由は?

「睡眠時間は加齢により短くなるのが一般的です。加えて、女性は更年期を迎えると、女性ホルモンの低下から自律神経が乱れて、眠りの質が低下。睡眠に悩みを抱えやすくなります」と話すのは、快眠セラピストの三橋美穂さん。

とくに気温が低下する冬は、手足が冷えて入眠に時間がかかるため、睡眠時間が短くなりがち。

「就寝中は成長ホルモンが分泌され、細胞の修復が行われる大切な時間。それが減ると、太る、肌が荒れる、イライラする、疲れがとれないなど心と体にマイナスなことばかり。でも、少し意識するだけで睡眠の質を改善できるんです。睡眠環境と生活習慣を見直して、質・量ともに満足のいく眠りを手に入れましょう」

●要チェック!1個でも当てはまると睡眠の状態が悪い可能性が…

□午前中なのに眠気がある
□だるい、疲れがとれない
□イライラしやすい
□落ち込みやすい

最高の睡眠環境のつくり方

寝具・照明・寝室の正解を教えます!

●照明

わずかな光でも眠りを妨げるので注意

光には覚醒作用があるので、寝室の照明はオフに。豆電球の光でも睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑え、眠りに悪影響が。

●枕

寝返りの打ちやすさと呼吸のしやすさを確認

あおむけ寝のときに首がスッと伸びて、ラクに呼吸ができるものが自分に合う枕。肩や首に圧迫感がなく、寝返りが打ちやすいか確認を。

●寝具

毛布のサンドイッチで寒さを寄せつけない

冷気は下にたまるので、毛布を活用して保温効果を高めるのがコツ。敷布団の上に毛布を敷いて横になり、羽毛布団、毛布の順にかけましょう。布団を何枚も重ねると、寝返りが打てないので注意して。

●窓

部屋を冷やす冷気は窓際でブロック!

室内の暖かい空気は、窓際で冷やされて床にたまります。厚手のカーテンや断熱シートを活用し、窓からの冷気を防ぎましょう。

二重窓の設置が効果的

二重窓にすると部屋が冷えにくくなり、光熱費の節約にも。補助金が出る自治体もあるので確認を。

●室温・湿度

暖房と加湿器の併用で暖かい部屋をキープ

冬は室温18〜23℃、湿度40〜60%が理想的。冬は布団の中と外で温度差が大きく、ヒートショックの危険性も。寒冷地では就寝中も暖房をつけて18℃以上を保って。

●睡眠の質を上げる! 最強のナイトウエア

3つの首とおなかを冷やさない工夫を

冬でも睡眠中に汗をかくので、吸湿性が高く、肌触りのいい素材を選んで。太い血管がとおる、首・手首・足首とおなかを守って防寒を。

●更年期は頭寒足温を心がけるとよく眠れます

頭はのぼせるのに手足が冷えるのも更年期特有の症状。それで眠れないときは、頭は布でくるんだ保冷材で冷やし、足元は温めて。