2023年2月8日に、連邦通信委員会(FCC)がAmazonの衛星インターネット通信プロジェクト「Kuiper」の人工衛星打ち上げ計画を承認しました。打ち上げ計画には、競合サービス「Starlink」を運営するSpaceXが計画見直しを訴えていましたが、FCCはSpaceXの意見を取り下げてAmazonの計画を支持しています。

International Bureau Grants Kuiper Satellite Modification | Federal Communications Commission

https://www.fcc.gov/document/international-bureau-grants-kuiper-satellite-modification



FCC approves Amazon’s satellite broadband plan over SpaceX’s objections | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2023/02/fcc-approves-amazons-satellite-broadband-plan-over-spacexs-objections/

SpaceXが運営する衛星インターネットサービス「Starlink」が日本を含む世界中でサービスを展開するなど、人工衛星を用いたインターネットサービスの配備が急速に進んでいます。この状況の中、Amazonが進めている衛星インターネットサービスプロジェクトが「Kuiper」です。

Kuiperでは3236基に及ぶ人工衛星を3つの軌道上に配備し、全人類が居住するエリアの95%にインターネットサービスを提供することを目指しています。Amazonは、2022年10月には人工衛星の打ち上げ時期を2023年第1四半期に決定しており、今後の展開に注目が集まっていまいた。

Amazonの衛星インターネット「Project Kuiper」が2023年第1四半期の打ち上げ決定 - GIGAZINE



ところが、AmazonがFCCに提出した人工衛星打ち上げ計画について、SpaceXは「問題を評価するためのデータを収集し、今後の人工衛星展開の道筋を得る」ことを目的として「人工衛星の打ち上げを578基に制限する」ことを求めました。

SpaceXの打ち上げ台数制限を求める意見に対して、FCCは「Kuiperの権限を制限する必要性は見つかりません。SpaceXは『特定の高度で他の衛星インターネットサービスの人工衛星と共存するKuiperの計画』に懸念を表明していますが、Kuiperの人工衛星配備によって生じるリスクについて明確に指摘できていません」と反論し、SpaceXの意見を取り下げてAmazonの計画を承認しました。

なお、AmazonはKuiperの人工衛星打ち上げに用いるロケットについて、SpaceXのロケットを使用する可能性について言及しており、2023年第1四半期に予定されている人工衛星打ち上げに注目が集まっています。

Amazonが衛星インターネットサービス「Project Kuiper」の衛星打ち上げでライバル・SpaceXを頼る可能性を示唆 - GIGAZINE