片づかない家にありがちなもの。よかれと思ってもっているものが、片づかない原因になっていました。ライフオーガナイザーの下村志保美さんが片づけの仕事で気づいた「3つの共通点」について教えてくれました。

「片づかない人」が手放せないもの3つ

「捨てる」から「活かす」に意識が変わってきている今。それでもやっぱり処分したほうがいいものがあります。ここでは、片づかない原因になっている「家にたまりがちな」3つの悪習慣についてまとめました。

【写真】古い試供品を顔につける勇気はありますか?

 

●1.執着してムダ遣いにつながる「おまけ」

コンビニやスーパーなどで食品を購入するともらえる点数シールを集めてもらう景品を集めたことはありませんか?
私はあるキャラクターのお皿やヌイグルミが欲しくて、コンビニのサンドイッチやパンをがんばって買って景品を集めていいた時期がありました。

似たような市販のものであれば1000円もしないはずなのに、その景品をもらうためにはおそらく数千円の買い物をしないといけなかったはず。
ですがほとんどの場合、シールを集めて景品をもらったときが「欲しい」の絶頂期。手に入れた後はまた別のものが欲しくなります。
こうやって必要のないお皿やグラス、エコバッグ、キャラグッズがどんどん増えていきます。

キャラクターに興味がない人でも、進んでおまけをもらった経験に思い当たる節があるのでは。
・どうせ買うなら、少し高くてもおまけがもらえるものにしよう
・1ダース買うともう1本ついているからまとめ買いしよう
・せっかくここまで点数を集めたのだから、期限までにもっと集めて景品をもらわなくちゃ
など…。

さらに
・まとめ買いしたものがストックの収納からはみ出ている
・賞味期限内に食べきれず廃棄した
・想定より多く買いだめして予算オーバーしてしまった
など、お得になるはずのおまけが、じつは浪費と片づかない原因になっていることも。

 

●2.気持ちがすれ違う「子どもグッズ」や「ちょっといい食器」

以前片づけをお手伝いしたとあるお客様は、
・サイズアウトした子ども服
・子どもの成長で使わなくなったオモチャ、ベビーグッズ
・いただいたけれど自分の趣味じゃない食器
などを捨てられない人でした。

「自分は使わないけどあの人なら使うかも」と思って手放せず、自宅の一部屋が物置状態になっていたのです。

 

一方、別のお客様は
・親せきや友人から回ってきたお下がりの子ども服や育児用品
・親から譲られた「ちょっといい食器」
などで将来の子ども部屋がいっぱいになっていました。
自分好みの子ども服や食器を買いたいけれど、これらを先に使わないと申し訳ない気持ちになる…と途方に暮れていたのです。

どちらも悪意はなく、ものを大切にしたい、節約につながれば…という善意だけなのですが、残念な結果になっています。

リユース自体は非常にいいことですが、「使える」と「使う」、そして「使いたい」はまったく別のものであることを心にとめておきたいですね。

●3.出番がないまましまい込まれる「コスメや缶詰」

コスメの試供品は「旅行に行ったときに便利そう」、お土産でいただいた珍しい缶詰は「なにかのときに」と、使うことを先延ばしにしていませんか?

もちろん具体的に旅行に行く予定、使う予定があればそれもOKですが、そうでない場合は古い化粧品が溜まっていくだけになります。
試供品はあくまでも「お試し」のためのもので、数か月以内に使うことを前提につくられていることも。旅先で変質したコスメを使って肌荒れ…なんてことは避けたいですよね。

高級ブランドの口紅や香水、ネイルなども同様です。もったいなくて出し惜しみしていたら、古くなって変色していた、固まっていた…。そんなことになるくらいなら、普段使いした方がよっぽど活用できます。

いただきものの食材なども、食べ慣れていないものだからこそ意識してすぐに食べるようにしましょう。
しまい込むといつの間にか期限ぎれになってしまい、逆にもったいないことになってしまいます。

 

●「不要なものの収納」にお金をかけていませんか?

無料でもらった景品、だれかに差し上げようと思うけれど自分には不要な衣類や雑貨、サンプルやお土産など。
ただ持っているだけならコストがかかっていないように一見思えますが、それを収納するために場所をあける、お金を出して収納グッズを買うなど、なんだか本末転倒なことになっていませんか?

そもそも家の中でいちばん高いものは「スペース」です。無料でもらったもの、自分には不要なものだって自宅に置いておくだけでじつはコストがかかっているという考え方もできます。
目先の「もったいない」に気を取られると、じつは損! 必要のないものは家から追放して、すっきり暮らしましょう。