『ぽかぽか』生放送に潜入 観覧客との交流にハプニング…フジ昼バラエティのイズムが息づく現場
●放送開始3分で座り込むマスコットキャラクター
お笑いコンビのハライチと、フリーアナウンサーの神田愛花がMCを務めるフジテレビ系お昼の生バラエティ番組『ぽかぽか』(毎週月〜金曜11:45〜)が、スタートして1カ月が経過した。初回放送で3カ月後の1時間短縮発表、賛否両論のマスコットキャラクター、真冬の強風にさらされても集まってくる大勢の外観覧、子どもの前で麻雀牌ゲームに大盛り上がり…など、お昼に新たな風を吹かせまくって話題を振りまき、Twitterでもトレンド入りするようになってきた。
フジテレビ本社7階の特設会場から、3時間という長丁場で次々にコーナーが展開されていくが、その現場はどうなっているのか。1月30日(月)の生放送(※6日11:44までTVer配信)に潜入すると、そこにはお昼の代名詞だったあの番組のイズムが息づき、観覧客と一緒に番組を作っていく空間があった――。
『ぽかぽか』MCの(左から)神田愛花、岩井勇気、澤部佑
○■CM2分の間にセットチェンジ完了の早業
本番前に30人の観覧客がスタジオに入ると、この日の生放送でフロアを仕切ってカンペを出すのが、入社1年目の女性スタッフであることが紹介された。月曜は進行アナウンサーも入社1年目の岸本理沙アナで、若い女性たちが回す現場だ。
10分前になるとADの前説が始まり、拍手の練習。その出来に、「『ぽかぽか』始まって4週目なんですけど、今日が8番目に上手いです!」「盛り上がりすぎて本番始まったかと思いました!」とスタッフがさらに鼓舞したところで、「キモい」「かわいい」の賛否両論うずまく番組マスコットキャラクター・まんぷく昼太郎がステージに現れた。
本番2分前にもかかわらず、緊張感なく動きがトロい昼太郎。やっとステージの中央にたどり着き、両手を上げて観覧客の拍手を煽ってみせる。そこから、MCを迎えるために端に移動する…と思いきや、「本番10秒前でーす!」「3時間よろしくお願いしまーす!」とスタッフの声が飛び交っても仁王立ちのまま本番へ突入。
チャラン・ポ・ランタンのテーマ曲とともに生放送が始まり、後ろの階段から下りてきたMCたちに、「ジャマだな〜」(岩井勇気※)、「週の頭から〜」(澤部佑※)、「今日も存在感ありますね」(神田愛花)と言われながら、画面の外に押し出されてオープニングトークがスタートした。
※…GACKTとの賭けに負け、現在この番組で岩井は「ハラ」、澤部は「イチ」に改名中だが、当記事では便宜上本名で表記する。
続いてレギュラー陣も登場し、伊集院光、白河れいと順に挨拶していくが、昼太郎は放送開始3分で疲れてしまったのか、白河がトークしている最中にその場に座り込んだ。しかし、最初のコーナー「ぽいぽいトーク」のゲスト・三宅健を迎える前におもむろに立ち上がったあたり、相手のキャリアを見て態度を変える世渡り上手なのかもしれない。
最初のCMに入ると、スタッフが一斉にステージに上がり、「ぽいぽいトーク」へセットチェンジ。テーブル3つにイス4脚、フリップ、◯×△札、ボードを入れ込みつつ、映像モニターを下げ、演者をスタンバイさせるという作業を、わずか2分で完了させるという早業で、かの『笑っていいとも!』イズムを感じさせる。その間に、澤部は観覧客に「ここすごい陽(ひ)が入るから、夏ヤバいんじゃないかってね」と話しかけてコミュニケーションを取っていた。
○■ハプニングが続出する生放送の醍醐味
「ぽいぽいトーク」は、ゲストに「この人○○っぽい」という勝手なイメージをぶつけていくコーナー。事前に集めたイメージに加え、岩井と神田はホスト役としてトークを聞きながら、その場でフリップにイメージを書いていく作業もあるため、ゲストとのトークコーナーとは思えぬせわしなさだ。CMに入ると、ここぞとばかりにフリップ書きに没頭する姿があった。
この日の岩井の回答は、三宅との妄想ストーリーを重ねていったが、その文量が徐々にエスカレートし、フリップの文字は現場で見ても読めない小ささに。神田からは独特のイラストも飛び出し、観覧客をもれなくザワつかせていた。
外観覧には、三宅のファンたちが集結。番組も4週目に入り、スケッチブックにデカ文字を貼ってメッセージを伝えるという手段を身に着けた人が大きく目立ち、CM中に三宅が反応する場面もあった。こちらの進化にも、今後注目だ。
そして、牛肉の塊およそ2kgから300gぴったりに切れば塊全部持ち帰ることができる「牛肉ぴったんこチャレンジ」の時間に。名物企画になりつつあるが、肉を持ってくる昼太郎は、入り口の高さをまだ把握できておらず、王冠が引っかかって若干頭を持っていかれながら登場。それに気を取られたのか、新人ながら淀みのない進行で評判の岸本アナが、肉2kgの値段紹介で「なんと1万8,000円…あっごめんなさい、8万2,000円相当です!」と、誤差どころではないミスをしてしまった。
そこから、三宅が自分の腕の重さを参考にしだしたり、三宅の切り口の薄さに我慢できなくなったスタッフが「ちっちゃい! ちっちゃい!」とOAに乗るレベルの声で助言したり、今度は分厚すぎて客席から悲鳴が上がったり、しまいには澤部が寄りカメラに邪魔されてカンペが読めない不運に見舞われる事態に。ただ生肉を切るという企画でここまで盛り上がるとは、一体誰が予想したか。
●神田愛花反省「足の爪ドン引きでしたね」
続いては、世の主婦の悩みにタレント相談員が解決策を提案する新企画「主婦のお悩み解決! ベストアドバイザー」。岩井と神田の前には再び大量のフリップが積まれ、果敢に手を挙げて回答を繰り出していく。
このコーナーで神田は、「法に触れない程度に姑にダメージを与える方法とは?」というお題に「自分の足の爪を切ったカスを置いて臭いを発生させる」と答え、若干観覧客を引かせる回答を披露。続く2問目の「奥様たちの輪に入るための話しかけ方とは?」というお題でも、「自分の足の爪を切ったカスを撒いて臭いを発生させる」と、かぶせる暴挙に出た。さすがにこれは反省したようで、この後のCM中に「足の爪ドン引きでしたね」と苦笑いしていた。
スタジオにはLEDモニターにテキストが表示されるようになっているが、このコーナーの時間は「ガンガンいこうぜ」「みんながんばれ」と『ドラゴンクエストIV』の作戦が流れており、担当ディレクターの趣味がうかがえる。
○■本番終了後に観覧客とトーク
その後は、ロケコーナー「ライオンちゃんと行く!肉食さんぽ」、岩井の狂気と岸本アナの猫耳&恥じらいが話題の「ハライチ岩井の世界一かわいいネコちゃん連れてきて」、フジテレビ系列局などの番組を紹介する「日本中に知って欲しい! FNSおすすめジモTV」を経て、エンディングトーク。最後は「ぽかぽか〜」のポーズで、無事3時間の生放送が終了した。
本番終了後のトークで、何回目の観覧かを聞いていくと、複数回来ている人も多くいることが判明。以前の放送では、すでに6回来ている人もいたそうだ。
岩井が番組ステッカーをプレゼントすることを紹介し、澤部が「どっかに貼って番組を宣伝してください。ということで、月曜ぽかぽか、以上でございます。みなさんありがとうございましたー!」と締めくくると、出演者が退場。最後まで残った昼太郎も、名残惜しそうに去っていった。
ぐうたらな動きと、本番中にも平気で演者の前を通るデリカシーのなさで話題の昼太郎だが、牛肉を運んだり、ゲストの番宣ポスターを持ったり、番組の募集告知パネルを持ったりと、実は働き者。この役割、どこかで見た気が……そう、「いいとも青年隊」だ。よくよく考えると、オープニングでMCの登場より先に板付きで立っているのも、同じポジショニングだった。
●持ち前の毒っ気を放つ岩井、観覧客に果敢に話しかける澤部
これまで深夜のイメージが強かった岩井は、番組スタート前のインタビューで「昼に迎合していくような感じにはならないと思います」と宣言した通り、毎日の「ぽいぽいトーク」でのフリップ出しを筆頭に、持ち前の毒っ気を随所に出しているが、澤部とのバランスで新たなお昼のMC像を打ち出してくれる予感がする。
CMに入るたび観覧客に話しかけていた澤部。序盤ではまだ客が硬かったのか、「遠くから来た人いますかー?」と呼びかけても無反応という寂しい瞬間もあったが、三宅のコーナーが終わって「顔ちっちゃかったね」、主婦のお悩み解決コーナーでは「みなさんも悩まれてる方はぜひ参考にしてくださいね」、岩井の猫コーナーでは「猫派の方どれくらいいますか?」、CSの番組『スパイストラベラー』を紹介すると「みなさん今日は昼カレーね」と、果敢に和ませようとしていた。
伊集院も外観覧に触れた後、スタジオ内の観客に「みんなつくづくイスがあって良かったなと思うでしょ(笑)」、放送開始1時間が経過して「あっという間だね!」と声をかける場面が。神田は「お顔をなるべく覚えたいんです。何回もいらっしゃる方もいると思うので」と話し、岩井、白河も頻繁に外観客を気にかけて手を振る姿があった。
従来の番組のような閉鎖されたスタジオと違い、誰でも覗くことができる開放的かつキャパの小さい空間での生放送だからこそ、内外問わず観客も一緒に番組を作る一員として捉えている印象を受けた。中間地点の提供バックで、演者・客席のみんなで行う体操タイムは、これを象徴する一幕だ。
『いいとも』のようなおなじみのコール・アンド・レスポンスがなく、コロナ禍という事情もあってか、観覧客からの参加感はまだそこまで出ていないものの、最後のCMが明ける直前には、伊集院が「みんなもうゴールだよ!」、澤部も「途中で離脱者も出ず、最後まで完走できました!」と呼びかけ、ほんのりではあるが24時間番組のグランドフィナーレを迎えるような一体感があった。
現状では様々なコーナーを打って試行錯誤しながら、徐々に鉱脈を見つけて番組として修練されていくのかもしれない。だが、洗練された番組が数多く存在する中、今の荒削りな雰囲気も残しながら突き進むことで、独自のポジションを確立してほしい。
お笑いコンビのハライチと、フリーアナウンサーの神田愛花がMCを務めるフジテレビ系お昼の生バラエティ番組『ぽかぽか』(毎週月〜金曜11:45〜)が、スタートして1カ月が経過した。初回放送で3カ月後の1時間短縮発表、賛否両論のマスコットキャラクター、真冬の強風にさらされても集まってくる大勢の外観覧、子どもの前で麻雀牌ゲームに大盛り上がり…など、お昼に新たな風を吹かせまくって話題を振りまき、Twitterでもトレンド入りするようになってきた。
『ぽかぽか』MCの(左から)神田愛花、岩井勇気、澤部佑
○■CM2分の間にセットチェンジ完了の早業
本番前に30人の観覧客がスタジオに入ると、この日の生放送でフロアを仕切ってカンペを出すのが、入社1年目の女性スタッフであることが紹介された。月曜は進行アナウンサーも入社1年目の岸本理沙アナで、若い女性たちが回す現場だ。
10分前になるとADの前説が始まり、拍手の練習。その出来に、「『ぽかぽか』始まって4週目なんですけど、今日が8番目に上手いです!」「盛り上がりすぎて本番始まったかと思いました!」とスタッフがさらに鼓舞したところで、「キモい」「かわいい」の賛否両論うずまく番組マスコットキャラクター・まんぷく昼太郎がステージに現れた。
本番2分前にもかかわらず、緊張感なく動きがトロい昼太郎。やっとステージの中央にたどり着き、両手を上げて観覧客の拍手を煽ってみせる。そこから、MCを迎えるために端に移動する…と思いきや、「本番10秒前でーす!」「3時間よろしくお願いしまーす!」とスタッフの声が飛び交っても仁王立ちのまま本番へ突入。
チャラン・ポ・ランタンのテーマ曲とともに生放送が始まり、後ろの階段から下りてきたMCたちに、「ジャマだな〜」(岩井勇気※)、「週の頭から〜」(澤部佑※)、「今日も存在感ありますね」(神田愛花)と言われながら、画面の外に押し出されてオープニングトークがスタートした。
※…GACKTとの賭けに負け、現在この番組で岩井は「ハラ」、澤部は「イチ」に改名中だが、当記事では便宜上本名で表記する。
続いてレギュラー陣も登場し、伊集院光、白河れいと順に挨拶していくが、昼太郎は放送開始3分で疲れてしまったのか、白河がトークしている最中にその場に座り込んだ。しかし、最初のコーナー「ぽいぽいトーク」のゲスト・三宅健を迎える前におもむろに立ち上がったあたり、相手のキャリアを見て態度を変える世渡り上手なのかもしれない。
最初のCMに入ると、スタッフが一斉にステージに上がり、「ぽいぽいトーク」へセットチェンジ。テーブル3つにイス4脚、フリップ、◯×△札、ボードを入れ込みつつ、映像モニターを下げ、演者をスタンバイさせるという作業を、わずか2分で完了させるという早業で、かの『笑っていいとも!』イズムを感じさせる。その間に、澤部は観覧客に「ここすごい陽(ひ)が入るから、夏ヤバいんじゃないかってね」と話しかけてコミュニケーションを取っていた。
○■ハプニングが続出する生放送の醍醐味
「ぽいぽいトーク」は、ゲストに「この人○○っぽい」という勝手なイメージをぶつけていくコーナー。事前に集めたイメージに加え、岩井と神田はホスト役としてトークを聞きながら、その場でフリップにイメージを書いていく作業もあるため、ゲストとのトークコーナーとは思えぬせわしなさだ。CMに入ると、ここぞとばかりにフリップ書きに没頭する姿があった。
この日の岩井の回答は、三宅との妄想ストーリーを重ねていったが、その文量が徐々にエスカレートし、フリップの文字は現場で見ても読めない小ささに。神田からは独特のイラストも飛び出し、観覧客をもれなくザワつかせていた。
外観覧には、三宅のファンたちが集結。番組も4週目に入り、スケッチブックにデカ文字を貼ってメッセージを伝えるという手段を身に着けた人が大きく目立ち、CM中に三宅が反応する場面もあった。こちらの進化にも、今後注目だ。
そして、牛肉の塊およそ2kgから300gぴったりに切れば塊全部持ち帰ることができる「牛肉ぴったんこチャレンジ」の時間に。名物企画になりつつあるが、肉を持ってくる昼太郎は、入り口の高さをまだ把握できておらず、王冠が引っかかって若干頭を持っていかれながら登場。それに気を取られたのか、新人ながら淀みのない進行で評判の岸本アナが、肉2kgの値段紹介で「なんと1万8,000円…あっごめんなさい、8万2,000円相当です!」と、誤差どころではないミスをしてしまった。
そこから、三宅が自分の腕の重さを参考にしだしたり、三宅の切り口の薄さに我慢できなくなったスタッフが「ちっちゃい! ちっちゃい!」とOAに乗るレベルの声で助言したり、今度は分厚すぎて客席から悲鳴が上がったり、しまいには澤部が寄りカメラに邪魔されてカンペが読めない不運に見舞われる事態に。ただ生肉を切るという企画でここまで盛り上がるとは、一体誰が予想したか。
●神田愛花反省「足の爪ドン引きでしたね」
続いては、世の主婦の悩みにタレント相談員が解決策を提案する新企画「主婦のお悩み解決! ベストアドバイザー」。岩井と神田の前には再び大量のフリップが積まれ、果敢に手を挙げて回答を繰り出していく。
このコーナーで神田は、「法に触れない程度に姑にダメージを与える方法とは?」というお題に「自分の足の爪を切ったカスを置いて臭いを発生させる」と答え、若干観覧客を引かせる回答を披露。続く2問目の「奥様たちの輪に入るための話しかけ方とは?」というお題でも、「自分の足の爪を切ったカスを撒いて臭いを発生させる」と、かぶせる暴挙に出た。さすがにこれは反省したようで、この後のCM中に「足の爪ドン引きでしたね」と苦笑いしていた。
スタジオにはLEDモニターにテキストが表示されるようになっているが、このコーナーの時間は「ガンガンいこうぜ」「みんながんばれ」と『ドラゴンクエストIV』の作戦が流れており、担当ディレクターの趣味がうかがえる。
○■本番終了後に観覧客とトーク
その後は、ロケコーナー「ライオンちゃんと行く!肉食さんぽ」、岩井の狂気と岸本アナの猫耳&恥じらいが話題の「ハライチ岩井の世界一かわいいネコちゃん連れてきて」、フジテレビ系列局などの番組を紹介する「日本中に知って欲しい! FNSおすすめジモTV」を経て、エンディングトーク。最後は「ぽかぽか〜」のポーズで、無事3時間の生放送が終了した。
本番終了後のトークで、何回目の観覧かを聞いていくと、複数回来ている人も多くいることが判明。以前の放送では、すでに6回来ている人もいたそうだ。
岩井が番組ステッカーをプレゼントすることを紹介し、澤部が「どっかに貼って番組を宣伝してください。ということで、月曜ぽかぽか、以上でございます。みなさんありがとうございましたー!」と締めくくると、出演者が退場。最後まで残った昼太郎も、名残惜しそうに去っていった。
ぐうたらな動きと、本番中にも平気で演者の前を通るデリカシーのなさで話題の昼太郎だが、牛肉を運んだり、ゲストの番宣ポスターを持ったり、番組の募集告知パネルを持ったりと、実は働き者。この役割、どこかで見た気が……そう、「いいとも青年隊」だ。よくよく考えると、オープニングでMCの登場より先に板付きで立っているのも、同じポジショニングだった。
●持ち前の毒っ気を放つ岩井、観覧客に果敢に話しかける澤部
これまで深夜のイメージが強かった岩井は、番組スタート前のインタビューで「昼に迎合していくような感じにはならないと思います」と宣言した通り、毎日の「ぽいぽいトーク」でのフリップ出しを筆頭に、持ち前の毒っ気を随所に出しているが、澤部とのバランスで新たなお昼のMC像を打ち出してくれる予感がする。
CMに入るたび観覧客に話しかけていた澤部。序盤ではまだ客が硬かったのか、「遠くから来た人いますかー?」と呼びかけても無反応という寂しい瞬間もあったが、三宅のコーナーが終わって「顔ちっちゃかったね」、主婦のお悩み解決コーナーでは「みなさんも悩まれてる方はぜひ参考にしてくださいね」、岩井の猫コーナーでは「猫派の方どれくらいいますか?」、CSの番組『スパイストラベラー』を紹介すると「みなさん今日は昼カレーね」と、果敢に和ませようとしていた。
伊集院も外観覧に触れた後、スタジオ内の観客に「みんなつくづくイスがあって良かったなと思うでしょ(笑)」、放送開始1時間が経過して「あっという間だね!」と声をかける場面が。神田は「お顔をなるべく覚えたいんです。何回もいらっしゃる方もいると思うので」と話し、岩井、白河も頻繁に外観客を気にかけて手を振る姿があった。
従来の番組のような閉鎖されたスタジオと違い、誰でも覗くことができる開放的かつキャパの小さい空間での生放送だからこそ、内外問わず観客も一緒に番組を作る一員として捉えている印象を受けた。中間地点の提供バックで、演者・客席のみんなで行う体操タイムは、これを象徴する一幕だ。
『いいとも』のようなおなじみのコール・アンド・レスポンスがなく、コロナ禍という事情もあってか、観覧客からの参加感はまだそこまで出ていないものの、最後のCMが明ける直前には、伊集院が「みんなもうゴールだよ!」、澤部も「途中で離脱者も出ず、最後まで完走できました!」と呼びかけ、ほんのりではあるが24時間番組のグランドフィナーレを迎えるような一体感があった。
現状では様々なコーナーを打って試行錯誤しながら、徐々に鉱脈を見つけて番組として修練されていくのかもしれない。だが、洗練された番組が数多く存在する中、今の荒削りな雰囲気も残しながら突き進むことで、独自のポジションを確立してほしい。