人口の減少を背景に全国的に増えている「空き家」について国は税の優遇措置の解除を検討するなど対策に本腰を入れています。国は２０２２年１０月から全国の市や町のメンバーによる対策会合を開くなど改善に向けた取り組みを進めてますが、この会合に栃木県内から唯一、委員として出席している栃木市の取り組みを取材しました。

　栃木市にある空き家だった古民家を改装した移住体験施設「蔵の街やどかりの家」。１９５５年に建てられた木造の日本家屋ですが住んでいた人が東京に移住したことから空き家となっていました。２０１６年に栃木市がこの建物を改装し再利用しました。

　国土交通省によりますと全国の空き家の総数は１９９８年から２０１８年の２０年間でおよそ１．９倍に膨れ上がっていて２０３０年には４７０万戸になると予想されています。そんな中栃木市の空家の数は戸建住宅のみを数えると２０１５年には２００７戸だった空家が２０２０年には１７４０戸と５年間で２６７戸の減少を実現しています。鈴木さんによりますと全国的に空き家対策が喫緊の課題となるなか進めるべきはそもそも空き家を作り出さない対策とできてしまった空き家を活用する対策だといいます。

　栃木市が進めている空き家バンクのｗｅｂサイトをみると５０件以上の空き家が登録されていて「蔵の街やどかりの家」を利用した人が空き家バンクを見て移住を決意したケースも少なくないといいます。また、栃木市では老朽化が進んだ空き家を解体する場合に最大５０万円の補助金を交付するなど制度も充実しています。

　国としては管理が行き届いていない空き家の持ち主に対して固定資産税の優遇措置を解除するなど空き家の適正管理を促していく方針に向け動いるという話もあり、鈴木さんは空き家所有者の人たちに「所有者にとっても負担が大きくなる。市に相談にきてほしい」と呼びかけています。