今年からヒット曲多発?ボカロシーンにおける「ネタ曲」の世界
さまざまなクリエイターたちが楽曲を配信し、ますます活性化するボカロシーン。「初音ミク」だけでも60万曲作られているといいます。その中で目立つのが「ネタ曲」というジャンル。「え?これが曲になるの?」と驚きと笑いをもたらせてくれるものがあります。1月13日放送のCBCラジオ『RADIO MIKU』では、清水藍と斉藤初音アナウンサーが、リスナーのリクエストからネタ曲を中心に紹介しました。
ありふれた日常を切り取った30秒曲
リクエストで紹介したひとつが、「私の歯医者さん」(ゆこぴ feat. 歌愛ユキ)。日常の中にある、ありふれたきっかけをテーマになったこの曲は約30秒とかなり短い曲です。
「非常にキャッチ―なメロディに何とも言えない緩い動画、タイトル通りの歌詞と非常に短いながらすべてがかみ合った曲となっておりますので、よかったら聞いてみてください」(Aさん)
清水「いや、本当にこんな完璧な30秒ある?って思うくらい。でもクスっと笑えてしまう曲ですよね」
斉藤「本当にシンプルなんですけど、ユニークで笑顔が出てきちゃいますよね」
抜歯をキャッチ―な歌に
「私の歯医者さん」で描かれたのは抜歯という、身に覚えのある人の多いテーマ。
たとえ親知らずであったとしても、歯を抜くことになったら覚悟を決めて治療に臨んだ経験がある人も多いはず。
斉藤も自身の親知らずについて、歯科医から「抜いた方がいいですね」とサラッと言われ、軽い恐怖を感じた経験があるそう。
一方清水は、たった30秒ながらキャッチ―なリズムとバックトラックもしっかりしていて聴き応えがあるだけでなく、シュールなMVも相まって中毒性があると話しました。
可愛らしい動物が出てくる中、歯科治療中に叫ぶ患者の絵がサブリミナル的に出てくるのが何とも言えません。
あの正月番組の伝説シーンが曲に
そして「また誰もいない部屋に辿りついてしまった」(文月フミト feat. 機流音・神威がくぽ)にもリクエストが寄せられました。
「神威がくぽ」はアーティストのGACKTさんの声を基にした、ヤマハVOCALOID用の歌声ライブラリ。
そして「機流音」はゴールデンボンバーのボーカリスト・鬼龍院翔さんの声を使用したVoiSona用ボイスライブラリで、昨年12月に発売されたばかり。
楽曲は、毎年正月放送の『芸能人格付けチェック!』(朝日放送)で、GACKTさんと鬼龍院翔さんが組んで出演した年の模様を歌にしたものです。
清水によると、鬼龍院さん本人もTwitterでこの曲の動画を紹介しており、いわば「本人巡回済み」だそうです。
今後「ネタ曲」がブレイクの予感
ちなみにこの曲が投稿されたのは、「機流音」発売当日でした。発売発表から発売日、そして投稿までのスピード感に驚くばかりです。
昨年12月からは、音楽チャートのビルボード内にボカロ曲に焦点を当てた「ニコニコボーカロイドランキング」ができました。
ニコニコ動画の再生回数やコメント数をビルボードが独自集計しており、今回紹介した「また誰もいない部屋に辿りついてしまった」も、12月末のランキングでなんと首位を獲得しました。
もともとネタ曲も人気のニコニコ動画ですが、今年はランキングによってさらにスポットが当たるのでは?と予測する清水でした。
(葉月智世)
RADIO MIKU
2023年01月14日00時12分〜抜粋(Radikoタイムフリー)