電気自動車メーカー・テスラの創設者であり、Twitterを買収したことでも話題となっているイーロン・マスク氏を公に批判する組織的な取り組みに参加したというテスラ社員が、会社から不法に解雇されたとして、アメリカの労使関係を担当する行政機関である全米労働関係委員会(NLRB)に苦情を申し立てました。

Tesla, Inc. | National Labor Relations Board

https://www.nlrb.gov/case/32-CA-309010



Tesla (TSLA) Illegally Fired Workers for Criticizing Elon Musk, Complaints Claim - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-12-19/tesla-tsla-illegally-fired-workers-for-criticizing-musk-complaints-claim

Tesla accused of illegally firing two employees after they criticized Elon Musk - The Verge

https://www.theverge.com/2022/12/19/23516889/tesla-elon-musk-employee-fired-letter-criticize-nlrb

Bloombergの報道によると、アメリカ・カリフォルニア在住の2人の元従業員が、テスラに不法に解雇されたとしてNLRBに苦情を申し立てました。今回の解雇は、労働条件に関連する従業員の言論を保護するための連邦法に違反した可能性があると指摘されています。

テスラに解雇された2人の従業員は、2通の書簡の起草に関与したと述べています。書簡の1通はテスラに職場復帰ポリシーを再考するよう求めるもので、もう1通はテスラの反ハラスメントポリシーに違反しているマスク氏のツイートに焦点を当てたものでした。Bloombergによると、これらの書簡はあくまで草案に過ぎず、テスラの幹部に送られることはなかったそうです。

訴状では、テスラに解雇されたという従業員が「テスラがハラスメント防止ポリシーを実施できなかったことと、新型コロナウイルス感染症後の職場復帰ポリシーの実施について話し合ったため解雇された」と主張しています。



なお、2022年6月にもマスク氏がCEOを務める宇宙開発企業のSpaceXで、マスク氏の公の場での行動を批判する書簡を公開した従業員グループが解雇されるという事態が発生しました。この際、最終的にSpaceXは9人の従業員を解雇しており、そのうち8人が連邦規制当局に不法な解雇について告訴しています。

SpaceXがイーロン・マスクの行動を非難する書簡を公開した従業員を解雇 - GIGAZINE



テスラの社内文化に問題があることはたびたび問題視されており、組合つぶしやセクシャルハラスメント、人種差別および性差別などが横行しているとして、従業員が同社に対して訴訟を提起してきました。